クリッセイ PR

おつかれビールと引き換えに

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

レンタカーの返却時間まであと30分ちょっと。
暗い空の向こうに稲光が見えた。夏の雷だ。
そういえば今日読んだ新聞の記事の中に雷のことが書いてあったな、などと思いつつ、
稲光だよね、どこかで花火があがったとかではないよねと一人声に出さずに車の中でツッコミを入れていた。

数年前はよく渋滞に巻き込まれていたが、最近はいつもスムーズで、出かけても早めに帰る人が増えたのか、そもそも外出がやはり減っているのかな、などと思う。
おかげでレンタカーの返却時間に遅れることはなく、逆算してほぼぴったりの時間に返却できている。
今日も時間はバッチリだけど、気になるのはあの稲光。
レンタカーを返却するガソリンスタンドから家までは自転車で約3~5分。
そこで雨に降られるのは嫌だからだ。

返却手続きをしている間に店員さんと
「雷、なんかピカッときてますよね」
「だんだん近づいてますね」
みたいな会話をした後、自転車を漕ぎ始めた。
すると、ポツ、ポツっとやってきた。
「こりゃあまずい!!」
急坂をがんばってあがって(もちろん降りて小走り)、そこからぐんぐん漕いだ。

本当だったら帰りに通る、いつもは利用しないコンビニで「おつかれビール」を買って帰るつもりだった。
でも、今日はガマンしよう。そのせいでザーッとやられるのはいくらなんでもダサい。
そのコンビニでは、店先のベンチをちょうどしまっているところだった。
うん、正しいよ、この判断は。

ビールにちょっぴり後ろ髪をひかれつつ、家にたどり着いた。
メガネについた水滴を見て、これですんで良かったと自己満足。
というか、言い聞かせる。

さあ、この後、「おつかれビール」を何で代用するか、それが問題だ。