日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
先月、仕事で訪れた静岡県三島市。
新幹線なら、わが家から都内へ出るのと同じくらいの時間で都内に戻れるのだが、1泊した。
利用した駅前のホテルは、こじんまりしているがとても気持ちのよいところだった。
場所柄、外国人の利用客も多いそうだ。
そのホテルの客室内のことだ。不必要なアメニティはなく、ロビーで補充できるスタイル。清潔感があり、部屋の窓からは富士山は見えないけど、市内の緑豊かな景色を見ることができた。
広々としたベッドがある。ベッドにはフットスローが掛けられていた。
フットスロー、あの日本人にはいつまでたっても馴染まない!?ベッドの足元にかける別布のことだ。
馴染まないのは、大抵は土足で寝室を利用しないから。
事実、三島のホテルでも真っ先に履いていた靴を脱いで、室内用スリッパを履いた。
フットスローはベッドメイキング完了の印、だったり、
それ自体がコーディネート、演出なのだという意味もあるらしい。
このホテルのフットスローには、東海道五十三次、三島 朝霧の図柄が刺繍されていた。
これはなんとも渋い。
しばらくして気づいた。このフットスローはリバーシブルになっている。
裏面は色違いの布に同じく、東海道五十三次、三島 朝霧の図柄が刺繍されていた。
これもなんとも渋い。
青と緑、それぞれに刺繍が施されている布の裏を合わせて、リバーシブル仕様になっている。芸が細かい。
生地感といい、刺繍といい、これが汚れるのも想定内でアレンジされていることに小市民な私はドキドキしてしまう。
でも「こういうのってファンタスティック!!」とか一人でも思う利用者がいれば大正解ってことなのかもしれない。
しばらくの間感動して、これがリバーシブルだとわかるようになんだかんだしながら写真を撮った。
なぜこんなにリアクションが大きくなっているのだろう。
謎はすぐに解けた。そういえば私はなんだかんだとリバーシブルが好きだ。
お得感を感じるからだろうか?理由は定かではない。
リバーシブルに初めて触れたのはいつだったろうと考える。
すると、きっぱりはっきり思い出したのは折り紙だ。
小学生の頃通っていた学童保育で、毎年開催されていたバザー。
各家庭から集めた不用品、未使用品などを学校の体育館で販売する。
そこでは子供たちの手作りのものも売られた。
手作り品の代表が折り紙で作ったくす玉だった。
このくす玉を作る際に使ったのが両面タイプの折り紙だ。
リバーシブル折り紙は、対称的な色の組み合わせもあれば、同系色の濃淡で組み合わされているのもあった。
小さい頃から体は大きかったが、ちまちまとした仕事は好きだったので、
私はこのくす玉作りを得意とした。
その他に手作りしたものといえば、プラ板や和紙染めなんかもあったような。
そう考えると、今、「ものづくり体験」という名のもとに手作り教室で作るものと変わらないことに気づかされる。
結構いろいろやってたね。
くす玉の折り紙から引き継いだリバーシブル好き。
日常にたくさんあるリバーシブルを探せば、
おしゃれで無駄がないことに加え、ノスタルジーもついてくるのだ。