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QUEENの曲とともに揺さぶられた『Q:A Night At The Kabuki』

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誰かと一緒に観劇すると、共感が何倍にも膨らんだり、違った目線がプラスされます。
作品をフィーチャーしながら、ゲストと共にさまざまな目線でエンタメを楽しくご紹介します。

今回ご紹介する作品は、三年ぶりの再演となるNODA・MAP 第25回公演『Q:A Night At The Kabuki』。
ご一緒したのは、これが舞台初観劇という『もうリバウンドしない! 心理タイプ別片づけ術』の著者で一般社団法人 エニアグラムお片づけの松下さおりさん。

Q:A Night At The Kabuki』は、あのシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』に、あのQUEENの楽曲が掛け合わされた、古典の美しさをベースに、愛に生きることと、いつの世も止まない争いを考える野田秀樹作のオリジナルストーリー。
ジュリエットは源氏、ロミオは平家として、あの源平合戦が下敷きにある。
源の愁里愛(じゅりえ)を広瀬すずさん、それからの愁里愛を松たか子さんが演じ、
平の瑯壬生(ろうみお)を志尊淳さん、それからの瑯壬生を上川隆也さんが演じる。
その他にも源の乳母(ウーバー)を野田秀樹さんが演じるほか、個性的なキャストと美しくテクニカルなアンサンブルが作り出す、野田地図の世界が描かれている。
東京芸術劇場プレイハウスにて上演中。

※以下、作品のネタバレを大いに含みます。

初観劇の衝撃
「まさか」がたくさんありました

栗原 松下さんは舞台をご覧になるのは初めてとのこと。
松下 なんとなく機会がないままここまで来てしまったので、観るなら初めての時は詳しい方とご一緒できたらと思っていました。
栗原 初観劇にNODA・MAP、これはすごーく貴重というか、衝撃だったのではないですか? 印象に残っているシーンを語っていきましょう。
松下 松たか子さんが「おーーーーーーーーい」というところがありましたけど、あのロングブレスがすごーいと思いました。いつもこんなに長いの?って驚きました。
あの時の衣裳がちょっとエルサを思い出しちゃって、え? もしかして歌っちゃったりする?なんて思ってみたり(笑)。
栗原 舞台作品にはいろいろあってミュージカルでなくても、劇中に音楽が入る音楽劇や、作品の中で歌うシーンがあるものなんかもあります。野田秀樹さんの戯曲、NODA・MAPはまるでラップかのごとくたくさん韻を踏んだ台詞の応酬が特徴です。
※観劇後に話している時には思い出せませんでしたが、ロミジュリの台詞とリンクした「名を捨てろリスト」「拾いズム」など、その台詞にはこの意味とこの意味が掛け合わされていたのか! というものがたーくさん詰まっていました。

松下 台詞が面白かったです。まさか私はあの源の乳母(劇中ではウーバーと発音)が野田さんご本人だとは気づかなくて。時々アドリブも入ってるんですか?
栗原 入っていると思います。季節や暦に関わる箇所とか、公演日程によって変わるでしょうしね。
松下 そういうのがクセになってきっと何回も観たくなるんでしょうね。
栗原 今日はこれだったとつぶやいている人、探しちゃうかもしれませんね。
この物語は、前半は源平の戦いをベースに、ロミオとジュリエットのモンタギュー家とキャピュレット家に置き換えて描かれていましたけど、現在放映中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代とリンクしたりするので、初演の2019年の時よりも源平の戦いの背景もピンときて、それもなんだか不思議でした。

松下 それにしてもまさか、この作品が戦争をテーマにしていると思っていなかったので、ラストに向かうにつれて泣きそうになりました。でも皆さんが泣き始めたところでは泣けなくて、本当に最後の最後、舞台そのものに圧倒されて泣けたというのが本音です。
ラストシーンもそうですけど、スローモーションとかすべてが手動というか、アナログで表現されていましたよね。一つひとつがとてもリアルに見えました。
栗原 あの動きで感情が追っかけてくる気がしますよね。身体表現がとにかくすごい。
松下 あれで揺さぶられました。前半、若い瑯壬生(ろうみお)と愁里愛(じゅりえ)が出会うクリスマスパーティーのシーンなんて、観終わった今ははるか昔みたいに思えちゃう。
栗原 『ロミオとジュリエット』の名台詞も入っていながらの、このオリジナルストーリー。設定としてはもしロミオとジュリエットが死ななかったら?というところから始まっているけれど、本当にあの後半に向かうと、殺すつもりはなかったけどとか、志願したわけではなかったけれど戦いに駆り出されていく人たちがいるということを、すごく実感してしまいますよね。

竹中さんのげっそり感や
広瀬すずさんのハリのある声に魅了

栗原 そのほか、印象的だったシーンや、気になった役者さんは?
松下 竹中さんが気になりました。平の凡太郎のやせ細った感じはこの役のためなのかなと。ふらふらした動きもそうだし、お顔もげっそりしていたし。でももう一つの平清盛の時は……。
栗原 ちゃんと清盛らしいというか、憎々し気に演じ分けていましたよね。
松下 不思議でしたし、すごかった。
栗原 羽野晶紀さんも何役もされていましたね。源氏と平家の両方の母を演じ分けていて、それは衣裳の色の違いなんかでもわかりやすくされてましたけれど……。
松下 羽野さんは尼マザーッテルサという役もされましたけど、本当に役名の通り、源氏とか平家とか言ってるけれど、結局混ざってるよね……って。戦争だって、この間までお友達だった人が敵味方になったりするし。
栗原 隣の国同士とか、北と南で兄弟で分かれてしまうとか、本当に「混ざってるさ」なんだよなぁ。印象的でしたし、考えさせられましたね。
そのほか、若手二人はどうでしたか?
松下 元々、すずちゃんのお芝居は好きだったんですけど、舞台でも声がはれるタイプの女優さんなんだと思いましたね。
栗原 ですね。2019年の初演で初めて観た時も、身体能力の高い役者さんなんだなと思いました。ハリのあるいい声ですよね。
松下 かわいい声とドスの効いた声、使えるんだなぁと。カーテンコールの時、1回目の時は全然笑ってなくて、次に出てきた時はとってもニコニコしていたのを見て、あぁ、さっきのは終わった瞬間で、気持ちが入っていたのかな、なんて思ったりもしちゃいました。

ハッと息を飲む瞬間
新しい扉が開きました

栗原 NODA・MAPってとても公演期間が長いんですよね。皆さんシングルキャストですごいですよね。
それにしても今日は良席でしたね。初っ端は、上川隆也さんがバーンっと目の前に見えましたけど。
松下 かっこよかったですね。お顔がはっきりしているから舞台映えするなって思いました。あとは布使いが綺麗だった。あれ、いつの間に?って。
栗原 本当に美しかった。逆にあんなに近い距離で観たら、粗が見えてもおかしくないのに、全然なかったですよね。
松下 すごく美しくて、なんか気分が高揚しすぎたのか、途中で息がしづらい感覚に陥ったくらい。
栗原 実際、ハッと息を飲む瞬間があったんじゃないかな?
松下 呼吸を忘れるっていうか。
栗原 わかるわかる。あの布使い、本当に素晴らしいですよね。
松下 音もそうだし、目からの情報もそうだし、その物語に本当に入っている感覚でした。
栗原 ちょっとトランス状態というかね。あると思います。
松下 新しい扉を開いてしまった感じ。
栗原 開いてしまいましたね! 私は野田さんのお芝居を観るといつもパンチをくらった感じになるんです。「お前ら笑ってるけど、考えてんのか!」って。

栗原 この作品はロンドンでも公演があるんですよね。気になるなぁ。
松下 どうやってするんだろう。字幕とか追いつかないですよね。
栗原 外国のジョークがわからないのと同じで、この韻のふみ方とか通じないよね。マザーテレサが「混ざってるさ」なんて。
栗原 新しい扉が開いたとのことですが、今後観てみたいジャンルとかありますか?
松下 歌舞伎も気になるし、今日、観ることが出来たので、また野田さんの作品があれば観に行きたいなって思います。
栗原 次回公演は2023年夏だそうですよ。今日はありがとうございました。

物語後半は極寒の地が登場したからというわけではないけど、雪氷レモンハイボールをテラスにて<GLOBAL RING CAFE>

 

今回エンタラクティブしてくださったのは……
松下さおり (Saori Matsushita)さん 
一般社団法人 エニアグラムお片づけ 理事

頑張らなくても大丈夫。ゆるらく5分で片づく仕組みをサポート
お客様訪問500軒以上の経験を踏まえ、エニアグラム心理学と融合させた、エニアグラム心理学×お片づけのプロとして、クライアントの無意識のクセを紐解き、その人にあったお片づけ方法を提案。
著書に『もうリバウンドしない! 心理タイプ別片づけ術』(扶桑社/2021)がある。
一般社団法人 エニアグラムお片づけ