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Vol.17『龍門飛躍』

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飛ぶには、勢いが必要だ。
走り幅跳びなら助走、垂直飛びなら一度しゃがんで体をばねのように使って勢いをつける。その勢いがあってはじめて遠くへ、高いところまで飛ぶことができる。

思えばここ2年くらい、とてつもなく長い助走期間か、高く飛ぶために深くしゃがんだままでいるような期間だった。
もっと早く飛べたかもしれないが私にはこの時間が必要だったと、今は思う。

今年は、その長い助走期間を経て、やっと、やろうと思っていたことを形にできた一年だった。年明けに今年こそは!と思っていた(昨年、エントリーするも資料が間に合わず辞退した)とコンペティションに応募して、100近い応募の中から本選に選ばれ、最後は賞までいただけた。(応援してくださった皆さま本当にありがとうございました!)

コンペで発表した内容の一部は、10年ほど前から何かの形にしたいと思っていたもので、書籍にするか、講座にするかなど、色々考えていたことだった。
それをコンペと言う場で発表し、次にその内容を講座という形にして伝えられたことで、やっと「飛べた!」と実感できた。

他にも(これも2~3年がかり)運営する団体の中で新しい講座を作り上げた。
まるっきりゼロベースだったわけではないが、着想はあっても0から1にして10の形に仕上げていくのは身を削るような作業で、この講座作成で私の白髪が増えたほどだ。
専門家の先生の監修を受けて作ったコンテンツを秋には団体の認定講師向けに開催することができ、「これは多くの人に当てはまるし、知っておいた方が絶対にいい内容」と受講生のほとんどが感じてくれたよう。長くかかったけれど、これもやっと「できた!」と思えることだった。

今年のはじめに白龍にもらったメッセージ(気整楽の書Vol.13参照)の通り目標に向かって突き進み、成果を出せた一年だったのではないかと思う。

Vol.13『龍からのメッセージ』書家_松杏が「ケセラセラ」の気分で、今、心に響く言葉を書き下ろす、書と解説文。 連載第13回目の書は、松杏さんが新年に銀座のウインドウディスプレイから受け取った言葉。...

「まだ内容が練り切れない」から、とか「ちゃんとした形にしよう」とか勝手に自分で思い込んでいたが、「これまでの経験や知識で十分に伝えられることがある」「自分の持っているものを信じよう」と腹をくくれたことが飛べた大きな理由。

「龍門飛躍」大きな困難を乗り越え、成功を収める。 中国の伝説に由来し、鯉が龍門の滝を登り切ると龍神に変わる。という中国の伝説に由来する言葉。「碧巌録」に載る禅語

いきなり飛べたわけじゃない。飛んで評価してもらえたのは、それまでの長い助走があったからだ。
辰年の今年、思い切って大きく飛んだことで、龍門の滝を登り切って、ひとつ上の場所へ進めた気がする。(さすがに龍神にはなれないが…笑)

来年は仙台から東京へ移ってから12年目、干支も一回りするタイミングだ。
次の新しい年はひとつ進んだその場所で、助走や勢いはなしに軽やかに弾むように進んでいこうと思う。

書・文・松杏
子供の頃から文字を書くのが好き。小学生で習っていた書道を40歳過ぎて再開。文字の美しさ、墨の表現力に魅了されている。
書と整理収納の共通点は余白とバランス。

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