ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
毎回一つのドラマと整理収納をリンクして語ります。
私が今回整理収納とリンクしたドラマは菅田将暉さん主演の
「ミステリと言う勿れ」です。
主人公の名前が
久能 整
くのう ととのう
ってもうこれは整理収納アドバイザーとしては観るしかないです(笑)。
大学生の整君が様々な事件に巻き込まれて、それを見事な解析力で解決してゆくストーリー。
整君はとにかく人とよく会話をします。
そしてよく質問をします。
(事件に関係ない事もたくさん)
それは例え自分がバスジャックの人質になっていてもです!
質問の答えや相手の行動を一つ一つ頭の中で整理して、それらをパズルのピースのように
組み立てて、最後にパチリと辻褄が合う。そして事件はスッキリ解決!
その流れに毎回唸ります。
解析する際に整君が度々心に響くセリフを言うのですが、
それがまさにこのドラマの見どころだと思います。
整君は
入ってくる沢山の情報が頭の中できちんと整理されてしまわれている印象です。
新たな情報が今まで蓄積された情報とうまく連携して答えを導き出すようです。
これって実はモノの整理も同じです。
人は普通に暮らしているだけでも、モノが増えていくものです。
情報もどんどんなだれ込んでくると混乱するのと同じように、
モノもどんどん家に入れて、整理しないでいると混乱状態になります。
概ねモノが増える原因は2つあります。
①家に持ち込む→必要上に持ち込むから増える
②捨てない→必要ないモノを処分しないから増える
さて、情報の整理が得意な整君のお部屋はどうでしょう?
学生にしては広い2LDKの家に住んでいます。
キッチンの机の上には果物が盛られ、こたつの上にも余分なモノは出ていません。
勉強机の上には先日行ったであろう「印象派展」注1で買ったと思われる
はがきサイズの絵が綺麗に並んでいます。
和室に見えるハンガーラックもコートやマフラーの量は多めですが、
種類別にきちんと分けられて整然と並んでいます。
整君の部屋にはいつ部屋に入ってきたのか思い出せないようなモノは
ほとんどない気がします。
つまりモノが増える原因①の必要ないモノが家に入り込むという事が
避けられているのではないかと思われます。
そして家に入ってきたモノはきちんと分類され、居場所が決められ、
使いたいときにすぐに手に取れるよになっているようです。
次に整君の日々の行動に注目してみると……
整君がよくカレーを作る場面が出ますが(なかなか食べられないけれど)
調理や盛り付けがとても丁寧で、食べる前には手を合わせます。
沢山飾られたグリーンもどれも元気そうに見えます。
行動が丁寧で、家に入れたモノは手入れをして大切にしているようです。
何が言いたいかというと
一つ一つのモノと
「きちんと向き合っている」
ということなのです。
整君は会話の時に相手が
なぜそう答えるのか?
なぜその言葉を選ぶのか?
なぜそんな表情をするのか?
とても注意深く見ています。
モノに対しても恐らく同じようなスタンスなのだと思います。
つまり
なんとなく家に入れるという事がないのではないか?と思うのです。
本当に自分が欲しているモノなのなのかどうか?
自分に問いかけ、向き合っているのだと思います。
そして必要な、大事なモノだと手入れもちゃんとします。
必要か必要でないかを決める決定的な場面と言えばストレートアイロンのくだり注2。
ストレートヘアがかっこいいと思っている整君は購入して使ってみます。
でも使っている途中で気づくのです。
サラツヤの髪になったからと言ってイケメンになる訳では無い……と。
(この気持ち、くせっ毛の私はわかるわ~)
そこで彼はすぐ返品を決意します。(使用後なので、返品できるかは不明ですが)
自分の求めていたモノではないとわかったら手放す。
それが買ったばかりのモノでも。
(これでモノが増える原因②も回避できますね)
整理とはモノを減らすとか整えるという事を最初に考えがちですが、
その前にやらなければならないこと。
それが
「向き合う」
という事です。
まずは自分と向き合う事。
自分はどんな人間で、どんな暮らしをしたいのか。
整君は無意識的にそれをしているように見受けられます。
でも、こんな風に若いうちから日々自分や他人と向き合うことができるなんて、
(私の若いころとは大違い!)
今まで整君はどんな風に暮らしてきたのか?
とても気になるところですね。
私は整君を整君のような視線でよーく観ることで、彼を分析して楽しみたいと思います。