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「リバーサルオーケストラ」に観る整理収納

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ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。

小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
毎回一つのドラマと整理収納をリンクして語ります。

1 月期のドラマは面白いものが多いですね。
最近私の周りでは様々なドラマを「観た?」という声が久しぶりに聞かれて嬉しいです。
今回私が取り上げるドラマは、門脇麦さん主演の「リバーサルオーケストラ」です。

とある地元のポンコツオーケストラを市役所職員の元天才バイオリニスト 谷岡初音(門脇麦)と世界で活躍する変人マエストロ 常盤朝陽(田中圭)が一流オーケストラに変えていくという音楽エンターテイメントです。
実は私も邦楽ですが演奏会のために合奏練習を重ねていた時期があり、この手の音楽物はつ
い見てしまいます。
コツコツ積み上げた音が 1 つに重なって「音楽」になった時の感動は格別です。

物語は団員や自治体が抱える問題を一つ一つ解決してゆくというプロセスが描かれていきま
す。
2月1日放送の第4話は団員のみどり(濱田マリ)が「家庭かオケか」の選択で悩む回でした。
みどりは夫や娘 亜美(凛美)への遠慮からビオラ奏者としての活動に罪悪感を抱えています。
防音の問題から外で練習していたみどりは亜美の急病時に家を空けていて気づけなかったこ
とをきっかけにしばらく演奏からはなれる決心をします。
夫は演奏家としてのみどりの仕事を認めておらず、娘の受験に関しても一方的な意見を押し
付けてきます。
亜美も隠れて演奏活動を続けるみどりに「演奏家としての誇りがない」と反発します。

このあたりの展開がちょっとイライラしちゃいます。
「俺は外で働いて疲れて帰ってきてるんだ!」系夫に対して遠慮し過ぎのみどり。
「国立以外は大学じゃない」という意見の夫に対して、みどりは「お母さんはそんな風には考えてないのよ」と亜美にこっそりとアドバイス。
これでは受験生でない私でも「は?」となります(笑)
みどりの家が特別でしょうか?
いえ、案外思っていることを面と向かって言えないことってあります。
ではなぜ思っていることを面と向かって言えないのでしょう。
それはきっと毎日顔を合わせる大切な存在だからこそではないでしょうか。
そんな存在だからこそ気まずくなりたくない。波風を立てたくない。そう思ってしまうのかもしれません。(みどりの夫は言っているけれど……)
そんな気持ちは空間にも表れています。

みどりの家を見てみましょう。
みどりの家は大変良く片付いていて一見居心地もよさそうです。
ただそこに家族が集う場面がほとんどありません。誰かが入ってくると避けるように出ていく。
少し寒々しく、よそよそしい印象です。
家は、部屋は、人がいて初めて生き生きと機能します。
美しく整った部屋は何かを始める準備が整っている状態と言えるでしょう。
それは楽しい会話、にぎやかな食卓、穏やかな沈黙。
それがあって初めてみどりの家は居心地の良い空間となるのです。
つまり「片づけ」は目的ではなく準備なのです。
目的はその先にあるものです。
みどりはが大切な娘のために選択した「ビオラをやめること」を亜美は望んでいませんでした。
自分が良いと思うことが必ずしも相手にとっても良いこととは限らないというところが
難しいですね。みどりも夫も亜美もまずはお互いの気持ちをよく話し合う必要があったのでしょう。
物語は感動的な演奏とともにあの部屋が今後きっと居心地の良い空間になるだろうなという予感を含んで終わりました。(あの夫には少々てこずりそうですが)
亜美に笑顔が戻ってよかった!

ちなみに初音の家族はというと、両親は地方に移住して第 2 の人生を謳歌しているようです。
それぞれの人生を尊重して応援しあう関係性は初音と妹との会話からも垣間見られます。
そんな初音の家は、使っていなさそうなモノが多めにありますが、居心地の良さそうな家です。
一分の隙なく片付いているよりも多少散らかっていてもたくさんの会話と笑顔がある家。
きっとそれが初音の家の「片づけの先の目的」ではないでしょうか。

最後に1つ、便利そうで気になる収納として食器棚をあげたいと思います。
キッチンとリビングを仕切る食器棚はキッチン側からもリビング側からも食器が出し入れできる造りになっているようです。キッチンが対面でない場合、この方法は同線的にも見た目的にもよいと思いました。
「これ便利だな~」と初音の家が映るたびに凝視しています。
食器棚は緩やかに空間を仕切って、リビングから見たキッチンの目隠しにもなっています。
両親と暮らしていた時も食器棚の向こうとこちらでわいわい食事の用意をしていたのがなん
となく目に浮かびますね。
次回はいよいよ中盤 5 話となりますが、バイオリンから遠ざかっていた初音は徐々に演奏家としての情熱を取り戻し、団員も結束が強まってきました。
ポンコツオーケストラがだんだん一流の演奏を聴かせてくれる、その過程も楽しめそうです。

文・みのわ香波
ひつじ Planning 主催整理収納アドバイザー。
ドラマを観る時は「ながら観」はせず、できれば一人でじっくり派。
登場人物の観察からの妄想がルーティン。
ドラマは「暮らしを切り取ったもの」、整理収納は「暮らしそのもの
「映画に観る整理収納」,「ドラマに観る整理収納」(ブログ専用ver)はブログ「ひまづくり日記」でゆるっと掲載中。
リバーサルオーケストラ
放送:日本テレビ 毎週水曜 夜10:00~
出演:門脇麦、田中圭、永山絢斗、瀧内公美、坂東龍汰、恒松祐里、前野朋哉、
行平あい佳、ロイック・ガルニエ、濱田マリ、渋川清彦、岡部たかし、津田健次郎、
相武紗季、平田満、原日出子、生瀬勝久 ほか