自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
3月に春の訪れを感じたと思ったら、4月はもう「本格的な春」という言葉がぴったりの季節です。
庭に出ると、先月まで控えめだった景色が一変し、あちこちから緑の葉が勢いよく顔を出しています。やわらかかった新芽は日ごとに色を濃くし、気づけば庭全体が一段明るくなったように感じます。
花の様子もにぎやかになってきました。
それぞれが順番を待っていたかのように、春の花々が一斉に咲きはじめ、庭は一気に色とりどりに。冬のあいだ静かだった時間が、ここにきて一気に動き出したようです。

そして今年のいちばんのニュースは、やはりパーゴラの藤です。
これまで少しずつ伸びてきたものの、なかなか思うように花がつかなかったのですが、今年はついに本格的に咲き始めました。やわらかな紫の花房が少しずつ垂れ下がりそうな雰囲気で、これから2,3週間が本当に楽しみです。
今後は藤棚として楽しめそうな気配が十分に感じられて、これまでの時間がゆっくりと実を結んできたのだなと、うれしくなります。時間をかけて育ててきたものが、ある年を境にぐっと形になる、そんな瞬間に立ち会えた気がしました。
庭全体が「満ちていく」ようなこの感覚は、見ていてとても心地よいものです。
そんな様子を見ながら、整理収納のことを考えました。
先日、リビングの棚を少し見直したのですが、冬のあいだに増えていた書類や細かなものを整理し、よく使うものだけを残して配置し直したところ、空間がぐっとすっきりとしました。
不思議なもので、空いたスペースができると、そこに新しい流れが生まれます。
よく使うものが自然と手に取りやすくなり、戻す場所も決まってくる。無理に詰め込まず、少し余白を残すことで、暮らしの動きや心までもが身軽になり、整う整理の魔法です。

藤の花が少しずつ広がりながら形をつくっていくように、
暮らしもまた、時間をかけて整え、余白を活かすことで、ようやく自分らしい形になっていくのかもしれません。
庭が満ちていくこの季節に、家の中もまた、少しずつ整っていく、そんなことを感じた4月でした。
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