日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
夏野菜がおいしい季節だね……という話ではない。
このほどわが家にやってきた、耐熱ガラスの器の話だ。
やってきたというより、引っ越してきたという方が正しい。
少しずつ義母宅を片づけている。リーダーは私ではなく夫だ。
台所を担当した私の役割は、使い切れるものと処分するものを仕分けること。
毎週訪れては調理の際に使っていた残りものを引き取り、あるけど使っていなかった食器などを種類で分ける。
この耐熱ガラスのボウルは、本当によく使った。
使いやすかったし、丈夫だし、なんなら愛着も湧いている。
実は以前から、これはいつか私がもらうと決めていた。
このボウル、義母は恐らく使ったことがなかったはずだ。
重量感があるし、一人暮らしで使うには大きい。そもそも自分で手に入れたものではなく
いただきものだったのだろう。
ボウルならほどよいサイズのステンレス製のものがなかなかの数あったから。
何かの機会で見つけて、私が積極的に使い始めた。
毎月担当していたフリーマガジンの料理ページで、ロケにお邪魔する先で使われていたこのタイプのガラスボウルにほんのり憧れがあったのだ。
義母宅にあったものはモノが良かったのだ。
こうやってモノにはいろいろエピソードがついてまわるから、楽しいけど厄介。
厄介だけど大切だ。
義母宅でこのボウルを使っていた時は、鶏ひき肉のだんごやハンバーグを作ることが圧倒的に多かった。ポテトサラダも結構作ったかな。
新しい住所に引っ越してきたこのボウル、今度は何を作ることが多くなるだろうか。
さあ、厄介な大切がある暮らしを楽しもう。