クリッセイ PR

あぁ、悠久。京都ですもの②-龍を昇った日

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

京都取材の後にぷらりと一人で立ち寄った平安神宮。
何も咲いていない静かな神苑で一人源氏物語ラリーをしたというのが前回。

あぁ、悠久。京都ですもの①日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。 京都取材の帰りに寄り道したベタだけど平安神宮を満喫したという話。...
春なら八重紅枝垂桜が見事に咲くらしい南神苑の後は、その季節なら池を囲むように花菖蒲が美しく咲き誇るらしい西神苑を過ぎて、中神苑へ向かった。
途中、出くわしたのは2人組の男性1組だけだった。
引き続きとにかく静かな平日の午後である。

中神苑にも大きな池があり、そこには臥龍橋(がりゅうきょう)がある。
立札を読むと、龍が臥す姿を象っており、この神苑を作庭した第七代目 小川治兵衛が手がけたものだそうだ。


写真のように、円柱の石が池に浮かんでおり(といっても固定されているよ)、それがまるで龍のよう。
今年は辰年、なんとなく縁起がいいのではないかと思い、ぐっと引き寄せられた。
神苑のチケットには、この臥龍橋に雪が積もった美しい写真がプリントされている。
何度も言うが、こんなに雪が積もっていたとしたら、私は絶対にここへは来ていない。

先ほど見かけた二人組が、臥龍橋をぽんぽんと向こう側から渡っていた。
別の立て看板には、池に落下しても自己責任だよ的なことが書かれていた。
その二人組を微笑ましい感じで見て、私は中神苑の池の周りを少し歩き出した。


……が、いや待てよ、次にここに来るのはいったいいつのことだろう?
その機会はないかもしれない。来たとしてももっと混雑している時かもしれない。
歩くのが今よりおぼつかなくなっているかもしれない。
そんなことをぶわーっと思って、橋の端に戻り、一人で臥龍橋をゆっくり渡ることにした。
2人組は向こうから来た。たぶん向こうが頭だろう。
私は反対から渡る。尾から頭に向かってだ。昇龍みたいでなんだか縁起がいいではないか!!


へっぴり腰というのは、私のためにある言葉でないかと思う。
というほど、おそらくへっぴり腰でその石の橋を渡った。

そこから最後のエリア、東神苑へまたゆっくり歩き出した。
(つづくかも)