日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
京都取材の後にぷらりと一人で立ち寄った平安神宮。
何も咲いていない静かな神苑で一人源氏物語ラリーをしたというのが前回。
途中、出くわしたのは2人組の男性1組だけだった。
引き続きとにかく静かな平日の午後である。
中神苑にも大きな池があり、そこには臥龍橋(がりゅうきょう)がある。
立札を読むと、龍が臥す姿を象っており、この神苑を作庭した第七代目 小川治兵衛が手がけたものだそうだ。
写真のように、円柱の石が池に浮かんでおり(といっても固定されているよ)、それがまるで龍のよう。
今年は辰年、なんとなく縁起がいいのではないかと思い、ぐっと引き寄せられた。
神苑のチケットには、この臥龍橋に雪が積もった美しい写真がプリントされている。
何度も言うが、こんなに雪が積もっていたとしたら、私は絶対にここへは来ていない。
先ほど見かけた二人組が、臥龍橋をぽんぽんと向こう側から渡っていた。
別の立て看板には、池に落下しても自己責任だよ的なことが書かれていた。
その二人組を微笑ましい感じで見て、私は中神苑の池の周りを少し歩き出した。
……が、いや待てよ、次にここに来るのはいったいいつのことだろう?
その機会はないかもしれない。来たとしてももっと混雑している時かもしれない。
歩くのが今よりおぼつかなくなっているかもしれない。
そんなことをぶわーっと思って、橋の端に戻り、一人で臥龍橋をゆっくり渡ることにした。
2人組は向こうから来た。たぶん向こうが頭だろう。
私は反対から渡る。尾から頭に向かってだ。昇龍みたいでなんだか縁起がいいではないか!!
へっぴり腰というのは、私のためにある言葉でないかと思う。
というほど、おそらくへっぴり腰でその石の橋を渡った。
そこから最後のエリア、東神苑へまたゆっくり歩き出した。
(つづくかも)