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沖縄でおきたこと②_ゆっくりとのんびりとのはじまり

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

客室のデザインにタイにある孤児たちのための生活施設”バーンロムサイ”の子どもたちが描いた絵を用いている那覇のホテルに泊まった話が前回。

沖縄でおきたこと①_ゆるりとアートと日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。2024年12月に訪れた沖縄でのいろいろ。パート1は、2泊した那覇国際通りのホテルについて。 ...

「バーンロムサイ」とは、タイ語で“ガジュマルの木の下の家”という意味だそう。
取材の翌日、那覇で1延泊を決めていた私は、予約していた格安レンタカー店へ徒歩で向かった。
この日は、夜の友人との集まりまで完全フリー。
南部を周ることにしていた。時間があったら立ち寄ってみようかなと思うところに旗を立てたりしつつも、あまり決めこまないのがいい。
レンタカー店で手続きをしながら、「おすすめのお店、カフェとかありますか?」と訊ねてみたけど、明言は避ける代わりに「ニライカナイ橋を通って、海沿いに眺めのいいカフェなどがいくつもあるので、ゆっくり行って、途中で止まりながら気になるところに寄ってみてくださいねー」と答えてくれた。
超絶おすすめされたい気分もあったけれど、「ゆっくり、のんびり」を強調されたのが逆にお言葉をいただけた気分になった。
「そうだ、一人だし、平日だし、天気はいいし、ゆっくり、のんびりだー」
そうして、沖縄南部、のんびりレンタカーの旅がスタートした。

のんびりとは言うものの、最初の目的地は決まっていた。
「ガンガラーの谷」
ここは、信頼できる二人の先輩からオススメいただいていた場所。
ガイドツアーに予約をして、でもあまり情報は入れすぎずに向かった。
那覇から車で約40分、南城市にある「ガンガラーの谷」は、2008年にオープンしたそうだ。
そうなのだ。私が旅行会社で沖縄担当として、毎日旅行手配をしていた頃には、この場所はまだなかった。
もっと正しくいえば、1972年にオープンしていた自然公園が閉鎖されていた頃だった。
すぐ隣には、「おきなわワールド・玉泉洞」がある。ここは、ほとんどすべての南部観光ツアーに組み込まれていた箇所だったので、馴染みがあった。

駐車場に車を停めて、入口へ向かう。
ガイドツアー予約の時間は11:00。時間に余裕があった。
12月の中旬を過ぎていたけれど、シャツとジャケットで余裕の気温。


さっそく青空に映えるガジュマルの木。

きっと週末は混みあうのだろうけど、平日の午前中は人も少なくとても静かだった。
後で聞いたことだが、前の週くらいまでは、修学旅行生も多かったそうだ。いろいろとタイミングがよかった。


受付に向かう急坂から見下ろせるのが洞窟の中のカフェ。
鍾乳洞の下にあり、ガイドツアーに申し込んだ人だけが利用できる、ツアーの待合スペース&カフェらしい。

受付に行くと、予約より一陣早いツアーにでも参加できるということだったが、私はカフェでゆっくりする時間も込みで来たことを伝え、予定通りのツアー時間をセレクトした。


「CAVE CAFE」の全体はこんな感じ。
そして私は、朝から飲まずに我慢していたコーヒーを、ここでようやくいただく。
ちなみにサンゴ焙煎の35COFFEEとは、風化した骨格サンゴと泡盛蒸留粕を混ぜて固めたサンゴボールを焙煎窯に入れて焙煎したコーヒーだそう。
好みの濃さで美味しかった! なにせ待望の朝一番のコーヒーだったこともあってね。


CAFEには、ツアーに参加する方がちらほらと集まってくる。
だいたい皆さん、ここから写真を撮りまくり。大人なカップルが結構はしゃぎめで自撮りしていたり、グループで参加する人たちも、鍾乳洞を見上げながら、すごいねー、すごいねーと連呼している。


前の時間帯のご一行様がツアーに出発すると、しばし辺りがシーンとする。
そして、また次のツアーに参加するらしき人がちらほら。

私が参加した時間帯は、8~9名の男性ばかりのグループ。年齢は5~60代から、20代まで幅広い感じで、おそらく職場の仲間なのだろう。
イントネーションから北関東のグループという感じだった。
もう一組は、20代前半の大人しそうな男性二人組。大学生かもしれない。
そして私、一人。

ガイドさんとめぐるガンガラーの谷。参加者には、一人ずつさんぴん茶入りの水筒が配られた。さあ、ツアースタート。
「ではみなさーん、出発進行~~!!」みたいなかん高い声ではなく、落ち着いたトーンでお話しながら、「ゆっくりいきましょうねー」というトーンが心地良かった。
ゆっくりとのんびりとのはじまり。


そのスタート地点でさっそくガイドさんが教えてくれた、鍾乳石のこと。
この▼の部分で50年くらい……なのだそう。
「うわっ、ほぼ同じ歳!」と思って思わず一枚、収めずにはいられなかった。

そうみると自分なんてなんとちっぽけなことか、ゆっくりとのんびりといこうや! そんな気分になれる気がした。
(つづく)