理由あって週イチ義母宅 PR

その日を飛び越してこい?

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理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

「その火を飛び越してこい」三島由紀夫の『潮騒』みたいに言ってみた。
通常定員3人がMAXの義母宅に、今日はクリスマスより、正月より人が集まった。
ケアマネージャーさんとヘルパーさんとデイサービスの担当者さん。
義母、そして私。

当面の介護計画の確認更新に合わせて、それぞれの場での状況報告が行われた。
デイサービスでの様子。
例えば、食事はいつもよく召し上がりますが、好き嫌いなのかはわかりませんが、
たまにおかずをまるまる残される日があるので、うかがうと、
「お腹がいっぱいだから今日はもういい」と言うとのこと。

「それは本当ーにお腹がいっぱいなのだと思います。朝からデイに行くまでの間に二食くらい食べている日もあると思うので」と私。
随分な言いようであるが、たぶんそうなのだ。
もちろん、デイサービスでは体調や様子をよく観察してくれていて、その前後も特に問題がないからこそ、こうしたタイミングでの念のための報告で済んでいるのだと思う。
お腹がいっぱいだと言えるならむしろホっとする。
「だってこの家でお腹がいっぱいって私、聞いたことないもんね」
「エヘヘヘヘヘヘヘ」
義母と私の間では、度々、お笑いコンビ・オードリーのかけあいのようになる。

ヘルパーさんが服薬管理で入る朝の様子。
最近のトイレの状況や、このところ鍋焦がしが以前より減っていることなどが確認できた。

本当にありがたい対応ばかりで、本人を含めた五者が一堂に会することが出来る現状は、
概ね良好だということが確認できた。

私からは、先日のラジオ体操第一、第二が完璧だというオマケの情報をシェアした。
お調子者の嫁だとしっかりインプットされているはずなので、この辺りはもうこの20分程度の五者会談がなんとなく楽しい感じになればいいというモードだ。

デイサービスでクリスマス会の時に飾ったリースや折り紙、サンタ帽をかぶった記念写真が渡された。
季節は自在に行き来する義母だから、それはもういまさらとかいう問題はない。
折り紙リースとそれについたポンポンの配色が明るいのもいい。
これは職員さんが誘導するわけでもなく、自分で選んだらしい。

五者面談が終了し、午後、買い物から戻ると、
二人で数日遅れの鏡開きをした。
小さな既製品の鏡餅の中には丸餅が二つ。
縁起物だから包丁で切るのは本来避けるべきだそうだが、甘いもの大好き、お餅大好きな89歳の命を優先して、丸餅を四等分、一口大にカットしてお汁粉にした。
案の定ペロリと平らげ、鏡餅の由来には全く興味なし。

クリスマスやら正月やら、受験シーズンやら何やら。
義母はいつだって、その日を飛び越えている。
実を言えば、今日、義母宅に着くといつものカレンダーが外されていた。
一瞬私の血圧が上がりそうになり、昼食後に冷静になって探すと、なぜか隣室に畳んで置かれていた。

これまでも何度か、旅をしているカレンダー。
どういうことが作用してそれを外してしまうのかは謎のままだ。
とりあえず外しにくくする対応で様子を見よう。

理由あって週イチ義母宅通いは、もうすぐ4年目に突入する。
その日々は、飛び越えてなどいなくて、ただただ毎週やってくる。