ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
そんな私が毎回一つのドラマと整理収納をリンクして語ります。
私が今回整理収納とリンクしたドラマは今田美桜さん主演の
「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日テレ系)です。
このドラマは 1992 年に石田ひかりさん主演でドラマ化されていて、
原作は深見じゅんさんの漫画です。今回、なんと 30 年ぶりのドラマ化です。
30 年前の内容なんて古い?と思いそうですが、この漫画は今も電子書籍で
20~30 代の女性に大人気だそうです。
ドラマでは世代背景や生活様式などが現代的に反映されていますが、基本的には原作が活かされた演出になっています。
その内容が現代にも受けているという事は 30 年前と働く女性の苦労があまり変わっていないという事やドラマ全体に流れる普遍的なテーマが受け入れられているのかもしれません。
主人公の田中麻理鈴は
3 流大学を 4 流の成績で卒業した、株式会社オウミの落ちこぼれ新入社員。
最初の配属先「備品管理課」で先輩社員「峰岸雪」(江口のりこ)に出会い、
様々なアドバイスを受けながら、出世の道を駆け上がってゆく物語です。
この麻理鈴ちゃんがとっても魅力的なキャラクターなのです。
「3 流大学を 4 流の成績で卒業しました!」と自己紹介しちゃうような
オープンな性格。普通隠したくなるようなある意味ネガティブで自己肯定感が
低くなりがちな事もあっけらかんと「これが私です!」と話せる人です。
そんな彼女の働く原動力は名前も知らない大好きな「T.O」さんといつか再会する事
(第 2 話で判明します)です。
彼は同じ会社であることがわかっているだけなのですが、その憧れの人に会う事が麻理鈴ちゃんの最大のパワーの源になっています。
目的って大事ですね! 大きな目的があると、つらい事も耐えられるし、力が湧いてきます。
彼にふさわしい人間になるためにも麻理鈴ちゃんはますます出世の道を邁進します。
ドラマ内のアンケート調査では働く目的の 1 位は「お金を得るための手段」でした。
もちろんほとんどの働く人は同じだと思います。
でも、麻理鈴ちゃんはそれだけでなく「誰かの役に立って、お給料までもらえるなんて、
働くってサイコーですね!」と、働くことに前向きしかありません。(←すごい!)
整理収納を成功させる秘訣としても「目的」はとっても大事な事です。
「整理」と聞くと「片付ける」と連想しがちです。
ですから「面倒」「つまらない」「やりたくない」とネガティブなイメージが先立つと思います。
しかし、「整理は部屋もきれいになって、探し物もなくなり、時間もお金も溜めることができるなんてサイコー!」と、麻理鈴的発想に転換してみるとどうでしょう?
ついやりたくなってしまうのではないでしょうか?
また、麻理鈴ちゃんは峰岸さんの力で毎回人事異動によりどんどん出世していきます。(この辺は謎が多く、ドラマをご覧下さいね)
そして、異動先で出会う「会社内での生き辛さ」を抱えた人々に仕事への前向きな意欲を取り戻させ、職場の雰囲気も良い方向へ変えてしまう不思議な力を発揮します。
自分を優秀と思っていない様子の麻理鈴ちゃんは他者から学ぶ意欲満々です。
何にでも興味を持ち、感嘆し、自分にはないものを持つ人を尊敬し、わからない事は
わかるまで聞きます。
「他人にこう思われているのではないか」、とか「自分なんてどうせ認められていない」
といった自己肯定感の低い人々に対して、
その人に興味を持ち、まっすぐな視線で相手を観察し、
その人が自分では気づいていない良い所を素直に言葉にすることで距離がグッと近くなり、周りにも良い関係性が伝染しているようです。
家族や職場など様々な人と整理収納を進めていくためには麻理鈴ちゃん的発想は参考になるかもしれません。
やる気の上がる共通の目的を持ち、相手を認めて興味を持ち、その人の特性を生かせる整理収納の方法を見つけていく。一緒にわくわくできたらサイコーですね。
さて、最大の目的である「T・O」さんと再会できた麻理鈴ちゃん。
彼にふさわしい自分になるために今後、どんな活躍をして成長してゆくのか、とっても楽しみです。
30 年前の麻理鈴を演じた石田ひかりさんとの共演も密かに楽しみながら(リュックなど小道具も目が離せません)観てゆきたいと思います。