とりなし隊長のメモパッド PR

どら焼きよりも楽しみなこと

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

言い方ひとつで、考え方ひとつで物事は結構うまくいく。これはとりなし隊長がちゃちゃっとメモしたような気楽な記録と提案です。

今回のとりなし対象は……
<ともに昭和10年代生まれの私の両親>
※おそらくこのパターンが一番多くなることでしょう。

夫婦って結構互いに好き勝手なことを言っている。
そして、「ああしてくれない」「こう言うに決まってる」と意外と互いに譲らない。
それがなんだか凸凹していておもしろくもあるが、やがてブースカ言っている自分にも頭に来たりすることはないだろうか。
私の親はそうだ。
こんなことがあった。

夫が私の両親に仕事の出先でどら焼きと最中を買ってきた。
それは思い出のどら焼きで、両親がそろっておいしいと絶賛したどら焼きだ。
わが家と両親宅は程よくスープの冷める距離。
車なら10~15分、自転車で20~25分、徒歩だと40~50分、バスの場合はまあ混雑次第。

賞味期限の短いおいしいどら焼きをどうしようかと考え、
父親の外出ついでに取りに来てもらうことを計画した。
ちょうど父が定期的に外出する曜日だったのだ。

当日の朝、電話をかけると母が出た。
事情を話すとその日はいつものスポーツダーツの日ではなく、市内のホールで開催されるコンサートに父が一人で行くのだという。
それならむしろ好都合! と思い、駅方面へ私が行って届けようと考えた。
電話口の母が父へその旨を伝えると、なんだか歯切れが悪いというか、予定が立たないという。
あのどら焼きだよ! わざわざ買ってきてくれたんだよ! と勝手ながら思い、
父に電話を替わってもらい直接交渉することにした。

……いろいろ確認すると、父は父で久しぶりに駅まで出るので、それなりに充実した時間を自由に過ごしたかったようだ。
予約しているチケットをピックアップしたり、いろいろ時間が読めないのも事実らしい。

少し話をして、私は悟った。「ははぁーん、帰りは飲んで帰る予定だな」
どら焼きより、久しぶりの外飲みに軍配があがっているのだ。

それらを踏まえた結果、どら焼きは翌々日に私たちがレンタカーで出かける予定があるので、届けることに決まった。賞味期限は1日切れてしまうけれど。

そして母に言った。
「お父さんね、今日はたぶん飲んで帰ってきますよ。出かけにははっきり明言しないかもしれないけど、そのつもりですよ。だからね、ヤキモキと帰りを待ったりせず、今晩はお母さんの好きなものを好きな時間にお食べなさいね」

別にいつも父を気遣い、我慢している母ではない。
でも、なんだかんだと「だってお父さんが●●は嫌いっていうから……」とか、
「食べると思って待ってたのに……」とか言っては、ぶちぶち言うので、とりなし隊長の出番となった。

なぜか父は、外出して飲んで帰ってきた時に、母に「駅で何年かぶりで知り合いの〇〇さんに会って、久しぶりだから一緒に飲んできた」と言うことが多いらしい。

「そんなことってある!? また偶然会ったらしいのよ」
母はちょっと愚痴っぽくそういうけれど、つまりは昔よく行っていた居酒屋(たぶんやきとり屋)に行って、そこで常連と久々に顔を合わせたとかいうことなのだろう。
そんな理由がなくたって、飲んで帰ると言えばいいだけなのだが、
そこにはちょっとした遠慮や勝手な思い込みがあるのかもしれない。

「お父さんね、今日はたぶん飲んで帰ってきますよ。だからね、ヤキモキと帰りを待ったりせず、今晩はお母さんの好きなものを好きな時間にお食べなさいね」
このとりなし隊長の言葉に母は結構素直に了解した。

翌々日、賞味期限が1日切れたどら焼きを、二人で美味しく食べたに違いない。