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奈良に行ったなら①_人生初の場所

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

人生初……という響きは、なんとも私の中ではエンタラクティブライフなことなので、
張り切って短期集中連載にしてしまう。
今回の人生初は、「奈良」だ。

人生で初めて、奈良に足を踏み入れた。
大阪からあんなに近いというのも初めて知った。
世の中には世界何十か国も旅をしている人もいるけれど、私は国内の都道府県の中にまだ行ったことのない場所がいくつもある。
そんなわけで、今回は「奈良」。

初めての奈良だと告げると、大抵の人は
「え、修学旅行、京都・奈良じゃなかったの?」と聞く。
違ったのだ、もっと渋い萩・津和野だった。
前年まで高校の修学旅行先は北海道だったのに、3年間でぐるっと一周して教師陣が皆、ほとんど北海道に行ったから、行き先が変わったのだと耳にして、
「は?それって勝手だよね」と憤慨した記憶がある。
萩・津和野に罪はない。夜行列車で行ったような記憶があるから、それはそれでなんだか
趣向は凝らされていたのだと思うし。

そんなわけで、5月の京都につづき、今度は奈良に行ってみることになった。
初なのだから欲張らず、王道を攻める。
大阪から夕方に奈良入りして、1泊し、奈良散策は翌朝から夕方までの数時間だ。

もちろんここからはじめる。「東大寺」
中門で迎えてくれたのは、鹿というよりバッファローみのある主さま。

 

置物のように微動だにせず、行く人を見送っている。
いや、見てもいない。
ここまでの間にすでに何頭ものお鹿さまを見たが、とにかくのんびりとしている。
時間がゆったりと流れ、人が通ろうともそれはそれ、という感じが妙に心地よかった。

そうして中門を過ぎ、大仏殿を正面に見る。
平日午前の大仏殿には、旅行者は少なく、外国からの観光客がちらほら。
そして、奈良か大阪の小学生が遠足? に来ていた。
その光景がなんとも平和だった。
この平和な日常は、ここ数年なかったのかもしれない。
紅白帽をかぶってキャッキャと歩いている様子は、自分たちが幼かった頃の昭和と何も変わらないように見えた。

違うところを探すとすれば、子どもたちの脚が長いということくらいだろうか。
私も小さい頃から大きかったので、脚は長かったけれど(自分で言うな)、
絶対的に違うのは、今の小学生はひざ下が長いということだ。
私は膝上が長かった世代だ。

変わったところといえば、昔、外国でカメラを首から下げて、写真ばかり撮っているのが日本人だとバカにされていたと思うが、
東大寺では、ほとんどの外国人がカメラを構えていた。
あれは、それこそ昭和の頃は日本のカメラの性能が良かったことの象徴みたいな意味でも言われていたことなのだろうか……。
などと、小学生の団体を見送りながら考えた。

それはそうと、さっそく行こう。いよいよはじめての奈良の大仏様のお顔を観に。

(つづく)

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