自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
最近、急に冷えていますね。今のような寒い時期はデッキに座ってコーヒーを飲みながら庭を眺める、ということはほとんどなく、庭を眺める時は室内からになります。
この室内から眺める庭が私は大好きです。
庭に出て眺める庭と、窓を通して眺める庭、どちらも同じ庭ですが、見え方が大きく違います。
庭に出ている時の私は、まるで庭の一部になっているようです。眼や匂いから大地や植物たちの存在を強く感じます。裸足で芝を歩く時は、地面からのエネルギーを貰える癒しの時間です。
一方、部屋から見る庭は、窓という額縁を通して見る風景であり、庭はインテリアの一部に変わります。
和室から見る庭
例えば、和室から見る庭には、夏になると、生い茂る藤の枝と葉が窓の上部を占めています。デッキにある南天も和の彩りを添えてくれます。その奥には和とは異なるバラやミモザが見えながら、その奥に庭が広がります。
我が家の和室は漆喰の壁と畳に北欧アンティーク家具を合わせた作りにしているのですが、インテリアの一部として見える庭の風景は、和と洋を混ぜ合わせた家とピッタリハマってくれています。
リビングから見る庭
リビングから見る庭はまた異なった風景を見せてくれます。
ミモザとバラ、西洋ニンジンボクが窓からの景色を彩りながら、庭を見渡せます。
リビングは西洋アンティーク家具を中心とした洋の空間で、庭の風景はそれをさらに引き立ててくれます。
毎朝台所から娘のお弁当を作りながら眺めることが多い場所ですが、好きなインテリアと好きな庭の風景は、朝の目覚めをとても爽快にしてくれます。


二階のベランダから見る庭
また違った風情を見せてくれるのが、二階のベランダから洗濯物を干すときに見る庭です。二階のベランダ上からは、庭もデッキもパーゴラも見下ろすことができる神様視点の特別な風景です。
ここでは和も洋も入り組んで、シンボルツリーも含めた庭全体を見下ろせます。庭全体の今を知ることができ、かつ高いところから見下ろす感じが清々しいです。それに二階からでないと、木の先端の様子や調子がわからないので、木の生育確認に大切な時間です。去年もハナミズキの先端が虫にやられていたのを発見したのはここからの眺めでした。
このように家の中からの庭、というのは、場所によって姿を変え、インテリアと一体化することで違った顔を見せてくれる、私らしさを感じられるとても大切な風景です。
窓の先の風景、というのはご自宅によって様々です。ただ共通しているのは、窓からの風景はインテリアの一部になるということです。
好きな家具・雑貨に囲まれた部屋から見える外の風景をさらに楽しむために、それにあった雑貨などを足していくのもインテリアの楽しさのひとつです。
整理をして、そして次は好きなものを足していく、これらの流れで部屋はさらに心地よい空間になっていきます。窓から見える風景も一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?
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