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Vol.11『他山之石』

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先日、『それはないだろう?!』『失礼すぎる!!』と憤慨するような出来事があった。自分自身も同じような立場で仕事を依頼される立場だからこそ、その言動は『ない』となり、一気に相手に対する信頼が崩れた。

きっと相手は納得しないまま仕事を受けたのだろう。
条件を譲って納得しないまま進めると必ず、どこかで不満が出てくる。
その不満が今回のような出来事につながったと思っている。

実は過去に私も仕事を依頼された側として、同じようなことを経験済みなのだ。
最初にヒアリングをして、条件も確認した上で受けた仕事が、(誰がどこまでの範囲をやるか、そこの詰めが、私が甘かった…ため)業務の範囲の認識に相違があったり、連携がうまく取れずスケジュール通りに行かず手間数がかさんだりして私が不満とストレスを抱えて嫌になり、途中で条件の変更を伝えたことがあった。
その仕事については、結局、当初の条件のまま進め相手側は満足してくれて終えたのだが、私にとっては後味の悪いものになったことは言うまでもない。

こんなことは滅多にないことだが、いい仕事をするなら最初が肝心。
だから、仕事を受ける上では、金額のことや期間やその他もろもろの条件など言いにくいことも、あえて最初にそれを伝えるようにしている。

『他山之石』
他山の石以て玉を攻むべし よその山から出た粗悪な石も自分の玉を磨くのに利用できるの意から他人のつまらぬ言行も自分の人格を育てる助けとなりうることのたとえ。(大辞林)

「人のふり見て我がふり直せ」のような意味の故事成語。
(ただし「他山の石」には、よいことを見習うという意味はないので注意)
今回のことは、他山の石と捉え、自己研鑽に励む。

相手との関係を悪くしたくないから、相手に遠慮して言いたいことが言えないという人も多いと思う。
だが、それは本当に良い関係と言えるだろうか?
もちろん何でも言えばいいというわけではない。
相手との関係をより良くするためのことであれば、言いにくいことも伝える方がお互いに良い方へ進めるのではないか。
いつも言いたいことを言っているように思われるが意外と遠慮しがちな性格で、争いごとが嫌いな人間なので、自分に言い聞かせている。
気持ちよく仕事をするために、全力で向き合うために恐れず伝えよう。

書・文・松杏
子供の頃から文字を書くのが好き。小学生で習っていた書道を40歳過ぎて再開。文字の美しさ、墨の表現力に魅了されている。
書と整理収納の共通点は余白とバランス。