旅の空から PR

離陸の恐怖

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地球が好きな写真家 伊藤華織が、旅の空で素敵な人生の出逢いを綴ります。

はじめての飛行機に乗る体験は、20歳頃だった。看護学生で仙台に住んでいた時に、北海道へ帰省する時だった様な気がする。

高校の修学旅行は、北海道から京都・奈良・大阪の旅。ギリギリ青函連絡船に乗る最後の年齢位だった。

その青函連絡船に乗った時には、荒れ狂う波の津軽海峡を都○る○さんの

"あなた〜、変わりはないですかぁ〜。
日ごと寒さがつのりますぅ〜
着てはもらえぬ○○を〜
○○こらぁ〜えて、○○〜でますぅ〜"

と頭の中をくるくるリフレインしていたのを覚えている。(皆さんご存知だろうか。。。)

てな、時代だった。。。

さて、1985年くらいには飛行機の墜落事故もあったりと、、、

はじめての飛行機に乗る時には。

"落ちるかもしれぬ!"と、恐怖を抱えて乗っていた。

だからこそ、乗る時には毎回。
"落ちたら私は死ぬ。それはしょうがない。
落ちた時は一切、この世には未練は残さず、私は成仏するのだ絶対に!!"

と、毎回覚悟していました。毎回死にものぐるい?!

しかし、その後、色々な旅に出るようになりその都度飛行機に乗る。

毎回、死を覚悟するのとは裏腹に、離陸は旅の始まりのワクワクが、、、

???

なんだこれは。。。

死を意識してるのに高揚感があると気づく。。。

。。。。。?

あっ!

あたし、飛行機乗るの好きになってる!!

。。。

むむむ??

はて、、、

と、気づきまして。。。

そうだ、飛行機乗るの好きなんだ。。。

離陸は旅の始まり。

しかし、"落ちたら私は死ぬぞ〜。この世には未練を残さずあの世に行くぞ〜"と、いう思いも微かにだが持ち続けて今日も飛行機に乗る。

 

 

文・写真・伊藤華織(Kaori Ito)
集中医療・救急医療の現場で看護師として25年間従事する。
生と死の迫る医療の現場で自身が感じた、生きることの 稀有さ、そこに宿る喜び、失うものへの愛情と感謝を被写体を通して伝えたいと、写真家・映像作家に転身。
2011年より病院の緩和ケア病棟でのポートレート撮影活動をスタート。2020年、コロナ禍による病院の面会制限強化に伴い、家族すら会えない個室で過ごされる患者の方に向けた映像配信「ハートフルビジョンプロジェクト」を企画。死への不安や、孤独などによる不眠が少しでも和らぐように、朗読映像を制作し配信活動を行う。

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