ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからはそのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
今回取り上げたドラマは齋藤飛鳥さん、富田望生さんW主演の「まめとむぎ」 です。
ファッション誌の花形編集者で出世を目指し、キャリアを積んできた清水麦(齋藤飛鳥)。
そんなある日、麦は次期編集長の選抜に敗れ、同時に既婚者との不倫がばれてキャリアも恋も同時に失い、会社を辞めることになる。
どん底の麦がふらっと訪れたのは新人の頃、給料日に訪れていた街の居酒屋「大豆堂」。
しかしそこは店主の孫である米田まめ(富田望生)が引き継いだ発酵料理の店に様変わりしていた。 まめは発酵料理が大好きで、料理の腕は確かだが、集客や宣伝が苦手で悩んでいた。
そんな二人が出会い、お互いの得意を活かしながら発酵してゆくように変化してゆく物語。
美味しい発酵料理ももちろん見どころ。
原作は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』などで知られる谷口菜津子さん。
得意と苦手
麦は編集部時代、さまざまなアイデアを提案し、それが雑誌のテーマとして取り上げられるほどの発想力の持ち主です。
ファッションが大好きで、仕事に没頭するあまり、食事はおろそかになっていました。
対して、まめは発酵が大好きで料理も得意。
その一方で、店主としてお店や料理をどう見せるか、どう売るか、どうやってお客さんに来てもらうかを考えるのは苦手で、繁盛店とは程遠い経営をしていました。
二人の「得意」はまったく違います。
でも、それを掛け合わせたら?
大好きな発酵を、おいしい料理を通してたくさんの人に伝えたいまめ。
そして、その魅力をどうしたら人に伝えられるのかを考えるのが好きな麦。
お互いの得意を活かせば、その力は2倍どころか、それ以上になりそうです。
どん底で腐っていた麦も、「発酵」して新たな活路を見出せそうです(笑)
これは、そのまま整理収納にも活かせるように思います。
「片付け」と一言で言っても、実はその中にはいろいろな要素があります。
要らないモノをどんどん手放せる人。
分類するのが得意な人。
使いやすく仕舞うのが得意な人。
綺麗にラベリングするのが好きな人。
反対に、モノを手放すのはできても分類は苦手だったり、きれいに収納することはできても、ラベリングが面倒だったり。
だから「私は片付けが苦手」と、ひとくくりにしてしまうのは、ちょっともったいない。
自分は何が得意で、どこでつまずいているのか。
そこがわかると、片付け方も少し変わってくるのではないでしょうか。
自分の苦手がわかったらどうする?
片付けの中で、
自分が苦手なのはどの部分なのか。
それがわかったら、一歩前進です。
苦手な部分だけ、やりやすくする方法を考えればよいのです。
分類が苦手な人は、細かく分けずに大まかに分ける。
綺麗なラベリングが苦手な人は、マスキングテープに手書きしたり、色で分けたりしてみる。
手放すのが苦手な人は、手放し上手な人にコツを聞いたり、「なぜ手放せないのか」を誰かに聞いてもらう。
苦手なことを、無理に得意にしなくてもいいのです。
家族の中でも、それぞれに得意と苦手がきっとあります。
それぞれの得意を持ち寄って、苦手なところを補い合えば、一人で頑張るよりも、家族みんなにとって使いやすい仕組みができるかもしれません。
そのための第一歩は、一人ひとりの「得意」と「苦手」を知ること
そして、苦手を責めるのではなく、どうしたら補い合えるかを考えてみることなのだと思います。
「まめとむぎ」を通して描かれているのは「発酵」です。
発酵の面白いところは、材料そのものが別物になるわけではないのに、時間や環境、そして別のものの力が加わることで、元にはなかった味や価値が生まれることで。
整理収納も、
「自分の苦手をなくして完璧になる」のではなく、得意と苦手を持ったまま、人や仕組みの力を借りながら、少しずつ暮らしやすい形に変化してゆけば、それがやがてその家、その家の「いい味」になってゆく。
そんなふうにゆっくり「発酵」させていけばよいのではないかなと思います。
そしてこのドラマ、とにかく出てくるご飯が美味しそう!
放送時間が遅いので、夜中のおやつにはくれぐれも要注意です。
文・みのわ香波

