理由あって週イチ義母宅 PR

定位置管理ってなにさ!

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理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

理由あって週イチ義母宅に通っているが、
夫も理由あって週イチ実母宅に通っている。
このため、日曜日の昼間を共に過ごすことはほぼない生活が続いている。
不満とかなんとか考えるよりは、それが事実で現実だ。

互いによくやっているよねと褒め合い、なだめ合い、というところだろうか。
でもここに「笑い合い」と「助け合い」を加えていることが現実を受け止める力になっている気がする。

夫から、日中、LINEが来た。
「青いポシェットの隠し場所候補を教えて」

青いポシェットとは、義母が基本、肌身離さず持っている小さなナイロン製のバッグだ。
それには紐のついた家の鍵が結んであって、後は少しのお金と最近はマスクが入っている。
この青いポシェットは、この数年一番旅をしている代物である。

初めのうちは定位置を決めていたけれど、見つからない=鍵がないので出かけられない。
予備の対策はしているが、とにかく定位置管理が難しいのが現実なのだ。

斜め掛けして肌身離さずになってからは旅の回数は減っただろうか。
基本的にお風呂にはデイサービスで入るので、それが出来るというわけ。

そうは言っても、なんとなく煩わしくなって外すこともあるだろう。
そうしたら最後、定位置管理ではなくなるわけなのだ。

LINEが来たところで、私はすぐに心当たりを返信した。
書き上げてみたらざっと7か所の候補があった。
あと1か所、一瞬頭をよぎったけれど、違うかな……と外していた。

結果から言うと、青いポシェットは夫の捜索により、まもなく見つかった。
見つかった場所は、一瞬頭をよぎった薄い引き出しの中だった。
ちょっと悔しい。
仕事柄、書類が多かった義母宅には、薄型の引き出し家具がある。
現役時代は義母なりにラベリングをして、整理をしていたようだ。

引き出しがあれば、開けたくなるし、しまいたくなる。
これは本能なのかもしれない。
だったら引き出し家具はないほうがいいのでは?
そう考える人もいるかもしれないが、
長年日常の中に当たり前にあった結構大きなものは、減らせばいいというものでもない。

探し物の場所の候補は少ないに越したことはないけれど、
パッと7つ出して、その日のうちに見つかったというこの一連の流れも
経験と実績!? によるものだと、なにか成果にも似たものを夫婦で感じた。

その後も、おやつに関する義母の言動の報告が来て笑い合ってみたり、
申し送りのようなことをするのも助け合いといえそうだ。

100人いれば100通りの片づけがある。
100人いれば100通りの介護があるだろう。
本人以外の諸条件が異なるから、それは深刻だったり、無理があったり、さまざまなケースがある。
正解はないというのも、なんだか似ている。

だから今日は7つも捜索場所の候補が出せたことに「よっしゃ」と言って、
そこではないところからしっかり見つけた夫にも「よっしゃ、よっしゃ」と言おう。