自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
毎年この時期になると、庭の景色はまたひとつ表情を変えます。
春は花が次々と咲くことに目を奪われていましたが、夏が近づく今は、植物たちが一斉に葉を広げ、庭全体が深い緑に包まれていきます。
今年もルドベキアが元気に咲き始めました。
鮮やかな黄色い花は、暑さにも負けず長い間咲き続けてくれるので、毎年楽しみにしている花のひとつです。咲き始めたばかりなのに、庭全体がぱっと明るくなり、今年の夏も始まったと感じさせてくれます。
そして、この季節に存在感を増すのが西洋ニンジンボクです。
数年前はまだ見上げるほどではなかった木が、今年はパーゴラの高さを超え、庭の景色を大きく変える存在になりました。淡い紫色の花を木いっぱいにつける姿は本当に見事で、毎年少しずつ育ってきた時間を思うと感慨深いものがあります。
庭全体を眺めると、木々は豊かな木陰をつくり、芝生も鮮やかな緑へ。季節が進むにつれ、「庭が完成に近づいていく」というより、「庭がさらに育っていく」という表現の方がしっくりきます。
でも、この景色は自然にできあがったわけではありません。
夏の芝生は驚くほど成長が早く、我が家では2週間もすると芝刈りが必要になります。休日になると、夫は芝刈り機を押しながら庭を何度も往復します。
「本当は毎週やらないといけないんだけど、それはつらいんだよね」
と言いながら2週間に一度の作業を始めるのも、この季節の恒例です。
芝を刈り終えたあとの庭は、まるで髪を切ったあとのようにすっきりとして、景色まで明るく見えてきます。枝の剪定や植物の様子を見ながらの手入れも欠かせませんが、その積み重ねがあるからこそ、花も木も気持ちよく育ってくれるのだと思います。
そんな庭を眺めながら、整理収納も同じだなと感じます。
「片づけよう」と思うと、つい家中を一気に整えたくなります。でも、それでは疲れてしまって長続きしません。
そんなとき私がおすすめしているのは、季節が変わるタイミングで、一か所だけ見直してみること。
例えば玄関なら、冬の間飾っていた小物をしまい、代わりにガラスの花器や涼しげな器、お花を一輪飾ってみる。リビングなら、クッションカバーを夏らしい色に替えたり、お気に入りのかごをひとつ置いてみるだけでも、部屋の空気がふっと軽やかになります。
すると、不思議なことに「片づけなければ」という気持ちが、「季節に合わせて模様替えを楽しもう」という気持ちに変わっていくのです。
片づけは、モノを減らすためだけのものではありません。季節の移ろいを家の中でも楽しむための、小さなきっかけでもあるのだと思います。
庭も家も、一度整えたら終わりではありません。
季節に合わせて少しだけ手をかけ、その変化を楽しみながら育てていくもの。
だからこそ、毎年同じ夏が巡ってきても、去年とは少し違う景色に出会えるのだと思います。
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