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No.2 マリカジ『進撃の巨人』を語る

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ファシリテイト型整理収納コミック「モモとナナ」の作者・マリカジが語るマンガ・アニメの世界。タイトルはよく知っているけれど実は内容はよく知らないというマンガ初心者も読みたくなる!? 胸アツの理由をインタビュー形式でお届けします。

No.2 マリカジ『進撃の巨人』を語る

「この戦いをどう終わらせていくのか」を考えさせられる

―― 『進撃の巨人』(諫山創)はアニメや映画化もされて大きな話題になった作品ですね。
マリカジ 少し前に原作が終わり、再び話題になっています。でも実は私は原作のマンガはチラッとしか読んだことがなくて、ほぼアニメで追っているんです。
『進撃の巨人』が描いているのは民族間の戦争。人を喰う巨人のいる世界の話で、第1話では主人公・エレンのお母さんが巨人に喰われてしまいます。これが非常にグロテスクな描写なので、好き嫌いが分かれるのですが、そこから主人公が巨人に立ち向かう戦い方がとても魅力的なんです。

―― あのグロテスクな巨人にどうやって立ちむかうのか想像がつきません。
マリカジ 討伐隊が立体機動装置を使ってブインブイン飛びながら巨人にとびかかっていきます。巨人には急所があって、そこを切り落とすと巨人を倒すことができます。一見、倒せそうにないあの巨人たちに創意工夫で戦いを挑んでいくという面白さがあるんです。
また、こうした戦いの描写、スピード感や迫力がアニメではすごく伝わってくるので、アニメ化したことでこの作品が全世界に広がっていったのは間違いないと思います。オープニング曲のカッコよさもぜひ知って欲しいですね。

―― 前回ご紹介いただいた『ONE PIECE』とは絵のタッチも、設定もまるで違うような気がするのですが、マリカジさんが『進撃の巨人』に魅せられた理由は?
マリカジ 主人公のエレンたちは、巨人から命を守るため高い壁に囲まれたその内側で暮らしているのですが、物語の中盤から後半にかけて、エレンがその壁を超えるんですね。そこには自分たちの知らなかった広い世界が広がっていた。そしてエレンたちがなぜ壁の内側に暮らしていたのかという事実を知ることになります。
対巨人、対壁の外側の世界、壁の内側同士、戦いの構図はとても複雑で、そこにリアリティーも感じながら私たちは作品を観ることになります。
そして「この戦いをどう終わらせていくのか」ということを強く考えさせられるんです

―― とてもリアルな問題ですね。まさかそういう展開とは想像していませんでした。
マリカジ 否が応でも今の世界情勢に重なってしまうんです。そして、主人公のエレンが取る行動も驚くべきゾーンにいってしまうので、「最後どうなっちゃうんだろう」と決して安心して見ることが出来ない作品だとも言えます。

―― 「エ、エレン……。」という感じになる?
マリカジ そうです。見ている私たちが「エ、エレン……。」となるし、物語の中でエレンの仲間たちも「エ、エレン……。」ってなってしまう。
そういう意味でも今まで見たことない、なんと新しい作品なんだと驚かされました。巨人が出てくる時点で決してリアリティーのあるお話ではないんですけど、そこで戦っている人たちの思いは、実は現実からそう離れていないんですよね。戦いとはなんだということを、物語の中で彼らは葛藤しますし、見ている私たちも考えさせられます。
キャラクターそれぞれの心理描写もとても細かく描かれています。単なる勧善懲悪ではないし、一人の気持ちですら一面ではないというところを描いている作品なので好きなのかもしれないなぁ。

―― 主人公のエレン以外に気になるキャラクターはいますか?
マリカジ エレンが所属する軍隊の上司にあたる人で、巨人の生体調査で活躍するハンジさんが好きですね。彼女はあまり周りの人に流されずに、自分の意思を周囲に見せて発言したり行動してくれる存在、決断が出来る人なんです。カッコイイなと思っています。

―― アニメから作品に触れるのもいいきっかけになりそうですね。
マリカジ 原作漫画は読む時間がどうしても取られるので、忙しい方は「時間が出来たら……」と後回しになってしまうことも多いのではないかと思います。でもアニメは例えばご飯を食べながらでも見られますしね。何よりこの『進撃の巨人』はスビード感や音も感じていただきたいので、アニメでご覧になるのをオススメしちゃいます。

―― ありがとうございました。エンタメは良くも悪くも作品が時代とリンクしたり、世界で今起きていることを想起させられることは少なくありません。気になる作品がまた一つ増えました。

次回の「ムネアツたからばこ」は少女マンガをご紹介いただきます。
(聞き手/栗原晶子)

マリカジ
整理収納アドバイザーで漫画家。
元々片づけが大嫌いだったのに、今では整理収納をどんな風に漫画で表現できるかと日々妄想している。
アニメの声優さんが大好きで、夫と娘と一緒に声優さんのライブに行くのが趣味。
ツイッターはほぼ毎日何かを呟いてます。
暮らしハズムお片づけ主催。

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