映画の中にはさまざまな人生や日常がある。さまざまな人生や日常の中には、整理収納の考え方が息づいている。
劇場公開される映画を、時折、整理収納目線を交えて紹介するシネマレビュー。
大ヒット中の映画「Michael マイケル」。話題作を見逃すことがよくあるという自覚があるので、まだ公開後の熱が冷めないうちに映画館を訪れた。
映画を観て感じたのは、マイケル・ジャクソンって音楽が大好きだったんだろうなという、とても当たり前のこと。
私は思春期の頃にR&B、ソウルミュージックに出会った。
なかでもモータウンサウンドが大好きで、よくよく聴いていたから、ジャクソン5が歌うシーンは映画館で体が揺れそうになるのを抑えるのに必死だった。
映画を観ながら、「あともうちょっと聴かせて~」と何度思ったことだろう。
マイケル・ジャクソンはジャクソン兄弟の5男。兄たちによって結成されたボーイバンドのリードヴォーカルとして、その美声を存分に発揮した。
それを仕掛けたのは、父のジョセフだ。
家長である父親の存在は絶対。まだ幼い息子だろうと、ジョセフは容赦ない。
言うことを聞かないなら、ベルトの鞭で叩き込む。
それを見る時の兄弟たちのなんとも言えない表情、母親のあきらめを含む表情。
父・ジョセフの教えは全てが間違っているというわけではないのだろう。
もちろん体罰なんてもってのほかだ。でも彼の中にあるハングリー精神だって、ただの金や名誉が欲しくてではなかったと信じたい……。
音楽は仕事だと真剣に向き合わせる父と、歌うことに喜びを感じるマイケル。
レコーディングの時に、ついつい踊りながら(リズムを取りながら)歌ってしまうマイケル少年の姿が、サイコーだ。
そんなマイケルの才能に気づいた人たちの手によって、ジャクソン5(後にジャクソンズ)は次々にヒットを飛ばし、時の人になる。
光があたると影が生まれる。周囲で見る分には、当たり前のことだと思えてしまうかもしれないけれど、その中心にいる人にとってはその影がとてつもなく濃く映るのだろう。
映画はその影も濃い目に映し出した。
マイケル・ジャクソンがキング・オブ・ポップと言われ、世界中を熱狂の渦に巻き込んでいたところから先、あまのじゃくの私はメジャーすぎるスターからは目をそらすようになっていた。
目をそらしても、実際はたくさん目にしたし、耳にした。
だから映画「マイケル」の中でジャファー・ジャクソンが演じるマイケルが着ていた衣裳の数々を見て、「あ、憶えてる!この格好知ってる!!」と何度も興奮した。
私が見た日の映画館は、予想より若い人が多かったので「これ、リアルタイムで見てないでしょー」と謎のマウントを心の中でとってしまったことも記しておこう。
映画を見終えた時に一番に感じたのは
マイケル・ジャクソンが生きた時代に私は生きていたんだなという、これまた当たり前のこと。
もちろん、彼の死後に彼の音楽に出会った多くの人にもたくさんの影響を現在進行形で与え続けていることは間違いない。
でも、だからこそ、マイケル・ジャクソンが生きた時代に生きてきた人たちは皆、この映画を観るといい。
好きとか嫌いとか関係なく、体の中に音楽やリズムを送り込んでくれてた存在に気づけるから。
最近、音楽なんてまともに聴いてない……とかいう人がいたら(いないか)特に観るといい。
マイケル・ジャクソンは、マイケル好きの人のための存在じゃない。
映画を観ると、音楽そのものだったマイケルと自分との近さを感じ、
でもただの人でもありたかったマイケルの孤独にも触れられる。
スクリーンに入場する時に配られた1枚のカード。
裏のQRコードを読み込むと、マイケルの曲がすぐ再生できる。
Spotifyなら3時間36分、YouTube musicなら3時間。
LINE MUSICならつまんでつまんで50曲などなど。
今どきの当たり前のサービスかもしれないけれど、「こんなに近くに彼の音楽はあるよ」と手を差しのべてくれているようでうれしくなった。
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