ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからはそのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
今回取り上げたドラマは趣里さん主演の「大空港~GATE24~」 です。
年々増加する外国人の入国。 国際犯罪が巧妙化・深刻化する中、入国の水際で働いているのが「入管」と「税関」の職員だ。ドラマ「大空港」の舞台となる「GATE24」は、これまで縦割りになりがちだった入国検査に関わる各組織が連携し、より効率的かつ安全性を高めるために誕生した内閣官房参事官発案の新組織。
主人公の税関職員である森万智(趣里)は暇さえあればモノを丁寧に拭いているほどの「モノ好き」だ。仕事ではその人並外れた観察眼でモノが発する小さなサインを受け取り、様々な危機を回避してゆく。
情報共有って大事!そのためには‥‥‥
「情報共有がうまくいかない」
これは、どこの社会にもある問題なのだなと思います。
ドラマでに登場するのは、
「税関」(財務省)違法物の輸入阻止、適正な税の徴収など
「入管」…出入国在留管理庁(法務省)「人」の出入国と在留資格の審査
「動物検疫」(農林水産省)病原体・不法な生物の侵入阻止
「警察」(警視庁)犯罪の阻止
「空港関係者」円滑な空港運営
と、それぞれ管轄や立場の違う人たちが日本の安全を守るという使命のもと、空港を舞台に活躍しています。
ところがGATE24が発足した当初は所属する組織が違うため、「どこまでの情報を共有すべきか」をめぐって、それぞれがけん制し合いなかなか一枚岩になれません。
そもそも実際の空港では、入管と税関は全く別の場所で審査をしていますがこのドラマでは同じ空間で同じ人物を観察できる設定にしています。
税関は「モノ」を観る仕事、入管は「人」を観る仕事で違うところも観る対象もそこから得られる情報も違います。だからこそそれぞれが持っている情報を共有することで見えてくるものがあるのでしょう。
「GATE24」の24とは2×4。「人」と「モノ」という2つの対象を4つの機関で見極めるという意味が込められているようです。
さて、ここで少しスケールを小さくして家庭に置き換えてみます。
「家を心地よく、平和に保つ」という目的のためにも、実は「情報共有」はとても大切です。
例えば、家族みんなで使う日用品を巡ってこのような会話はないでしょうか。
「トイレットペーパー、もうないの?」
「これ、誰が買うの?」
決まった一人がモノの管理をしていると、在庫の把握も補充もその人の仕事になってしまいます。ですが、家族皆が「何が・どこに・どのくらいある」を知っていれば、一人に集中していた負担や責任を分散できます。そして何より家族それぞれが家の中のモノに関心を持つようになります。
では情報共有には何が必要でしょう。
ドラマでは杉原参事官(松雪泰子)が言っていました。
「仲良くしなさい!!」
とてもシンプルです。自分の立場や利益だけではなく「日本の安全のために何をすべきか」を考える。家庭ならば「家族が気持ちよく暮らすには何をすればよいか」を考える。
そのためには、まずお互いの話を聞き、情報を共有すること。
整理収納も、一人で頑張るより、家族を巻き込むことでうまくいくことがたくさんあります。
視点がポイント
税関職員の森は、人並外れた観察眼とモノへの偏愛から、ほんの少しの異変にも気付きます。
このあたりは、実父 水谷豊さん演じる「相棒」の右京さんをどこか彷彿とさせ、個人的にはワクワクするところです。
一方、入管の早見(眞栄田郷敦)はキャリア官僚出身で冷静沈着。何か気になることを見つけると他が目に入らなくなる森とは対照的です。本来は正義感溢れる青年でしたが内部告発が未遂で発覚し、異動させられたことから少々投げやりになっています。
口癖は「it’s not my call」(僕が決める事ではない)です。
ところが、様々な事件にGATE24のメンバーと向き合っていくうちに早見にも変化が現れます。3話ではついに、組織の圧力に屈することなく、ついに
「it’s my call」(僕が決めることだ)と言います。
早見が「自分には関係ない」という立場から一歩踏み出して、自分事として問題に向き合った瞬間でした。
これも家の中の事と似ていると思うのです。
家族でもそれぞれの着眼点や考え方の違いはあります。
片付けが得意な人も苦手な人もいれば、モノの変化に気づく人も全く気付かない人もいます。
だからこそ「it’s not my call」(僕には関係ない)ではなく、自分事として考えることから始めてみる。その第一歩は「知ること」ではないでしょうか。
家の中や家族の行動を観察してみる。
家族が何に困っているのか聞いてみる。
どんな収納なら戻せそうか話してみる。
知ることで理解できることがあり、違う視点だからこそ補い合えることもあります。
深澤審査官(柳葉敏郎)もドラマの中で言っています。
「それぞれの視点があるから気づけることがある」
それぞれが違う視点を持っていることを知り、情報を共有し、自分事として考える。
そんな小さな連携の積み重ねが、家族みんなにとって心地よく、平和に暮らせる空間を作っていくのかもしれません。
余談ですが、今回のドラマの舞台である事務所にはそれぞれの所属部署のキャラクターが飾られています。カスタム君(税関)、クンくん(動物検疫所)、ぴーきゅん(植物防疫所)、イミグー(出入国在留管理庁)どれもネーミングも含めて気になるところです。是非画面の端っこを観て探してくださいね!
文・みのわ香波

