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コーヒーとピーナッツバタートースト

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

京都で午前中取材だったため、前日に京都入りした。
ホテルから取材場所までは、徒歩2~30分程度。絶対間違えないで行ける位置にあるホテルを宿泊先に選んだ。

前泊にしたことで、当日は余裕を持って行動できる。
ホテルと取材先までの道中にあるカフェを調べた。
カフェマークは地図上にたくさん出てくるが、案外朝から開いている店は少ない。
ホテルから徒歩10分程度の場所に良さそうなカフェを見つけた。
テイクアウト専門だと天候に左右されるので、イートインスペースがあるお店がいい。
その希望も叶うカフェだった。


通りを少し入ったその店、「common.」のガラスドアを開けると、「おはようございます」と穏やかな声が聞こえた。
カウンターに2席、ハイスツール2席にヘキサゴンのハイテーブル、壁沿いのベンチ、そして奥には小上がりの4畳半くらいのスペースがあった。

「どちらでもお好きな席にどうぞ」と声をかけられ、私は壁沿いのコンクリートのベンチに荷物を置いた。

ブレンドは3種類の豆があり、私は深煎りをチョイス。
ト―ストも食べちゃおうとほぼ決めていたが、トーストの横に書かれていたメニュー、ピーナッツバタートーストに目が行き、躊躇することなくオーダーした。

店内の写真を撮る許可をいただき、そこからしばらく「common.」のオーナーさんとおしゃべりしながら、素敵なモーニングの時間を過ごした。

コーヒーが淹れられるまでの間に「今朝は寒いので……」といって出されたのが白湯だった。
なんて豊かなのだろう。実は私の中で朝、白湯を飲む人=ていねいな暮らし説がある。
最近は私より早く目覚める夫が、白湯を飲んでいる日があったりすると「あなたはそっち側の人になったのね」と野次っているくらいだった。もちろん冗談でだ。

「common.」で出してもらった白湯は、それはそれは美味しかった。
久しぶりのホテル泊、加湿器もつけていたけれど、圧倒的に水分が足りておらず、渇いていた喉に白湯がやさしい。

このカフェはニュージーランドに約4年間暮らしていたというコーヒー好きのオーナーが
2019年にオープンした。
ヘキサゴン(六角形)の天板がユニークなテーブルは、クリエイターサイトから静岡の家具屋さんにオーダーしたもの。


中央のカウンターはこだわりの一枚板を使用しており、店内でも特にこだわったところらしい。コーヒーを目の前で淹れているのが見られるカウンター席は、奥行もたっぷりあるので、圧迫感を感じない。

まるでこの店が一軒目の取材先なのかと思うほど根ほり葉ほり聞いているうちに、オーダーしていたコーヒーが出来上がった。
もう飲む前から「絶対正解」を確信していたので、一口飲んで「ほら、やっぱりね」と何故か自分が自慢気になる。

朝開いている店を調べてここに決めたのだと伝えると、朝早く店を利用するのはこれから観光に出かけるという海外からのお客様が多いらしい。

追っかけるようにピーナッツバタートーストが運ばれてきた。
京都はパンの消費率が日本一多い都道府県だと聞いたことがある。
そんなこともあって、朝のトーストに期待もしていたわけだが、このピーナッツバタートーストは最高だった。
カリフワのトーストにザクっと感があるピーナッツバターがたっぷり塗られている。
これはオーナーがニュージーランドにいた時に気にいって食べていたというピーナッツバターだそうだ。これにハチミツを加えて、甘さをブレンドしている。
ピーナッツ県からやって来たことを伝え、その割に案外食す機会は少ないこともカミングアウトした。


そして私は気づく。こんなにピーナッツバタートーストに興奮して美味しくいただいているというのに、それを写真に収めていなかったことを。
その顛末も「あるあるですね」と笑えたので、きっとそれはそれでよし。

そこからコーヒー、トースト、コーヒー、トーストの幸せな往復を繰り返し、
「関西は松飾りを外すのは、15日なんですよね~。関東は7日でした」
なんていう平和な季節ネタも入れたりしているうちに、自転車で乗りつけ、店前で待ち合わせをしていた女性3人組が入店してきた。
彼女たちは奥の小上がりを利用、こんなの絶対楽しいよねー。


「ショップカードもらっていいですか?」とたずねた3人組に便乗して、「あ、私も」ともらった正方形のカードには、
ーヒー、サロも とある。とびきりオシャレだ。
「common.」

さあ、時間だ! ここからまた元気に取材先まで歩いて行こう。
「取材頑張ってください。行ってらっしゃい!」と声をかけてもらい、「行ってきます」と答えて、店をあとにした。
冬の京都は寒いからくれぐれもあったかくして出かけるべしと言われて、しっかり防寒していたけれど、さほど寒く感じなかったのは、
きっとこの素敵なモーニングタイムのおかげだ。

店舗情報

common.
京都市上京区小川町丸太町340-5
Instagram @common.coffee.salon