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秋田県立ギフコウコウ

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

これは秋田県立ギフコウコウのお話。
あるところに卯月生まれの男がおりました。
男は骨が太く体が大きく、たいそう大酒飲み。
生まれてからこのかた、男の寝つきが悪かったという話を聞いた者はいません。

それでも朝は早く起き、瓦版に目を通し、その一部を書き写すのを続けることはや何年。
しかし、ここのところはそれらのお勉めを一通り終えると、再び床に入るのがならわしとなっているそうな。

ある朝、一人の男が卯月生まれの男の家を訪ねていきました。
手には何やら長細い箱を抱えています。
朝早かったものですから、呼び鈴を押して出て来たのは卯月うまれの男の連れ合い。
聞けば、今は二度寝の最中だといいます。
長細い箱を渡すと、男はもと来た道を引き返しました。
箱の中身は卯月生まれの男のために用意した出羽の国の酒でした。
二度寝から目覚めた男はその酒を受け取り、たいそう喜んだそうな。
めでたしめでたし。

……と、これをもう少し詳しく、読みやすく訳していきましょう。

千葉に暮らす私の父は4月生まれ。このほど誕生日を迎えました。
父は昭和10年生まれで身長178㎝、体格が良く骨太でお酒が大好きです。
年齢も年齢なのでさすがに酒量は落ちましたが、
晩酌しない日はないといいます。
飲めばさっさと眠くなり、名物は大いびき。

ここ数年は毎朝早起きをし、新聞に一通り目を通し、社説を書写し写経もするのが日課だそう。
早起きと書きましたが、最近はそれらのルーティンワークを一通り終えると、二度寝するのが習慣になっているそうです。

さて、その父の誕生日当日、夫が出勤前に一人で私の実家を訪れました。
手には長細い箱を抱えています。それは夫から父への誕生日プレゼントでした。
朝早かったものですから、チャイムを押して出て来たのは私の母。
聞けば、今は二度寝の最中だとのこと。
あえて予告なく訪ねたので、父が起きて顔を見せることはなかったそうです。
母は父の誕生日にかこつけて前日、外食を提案したところ、
「雨が降っているから」という理由で拒否されたことを恨めしく思っていたようで、
私の夫にしばし愚痴ったそう。

長細い箱を渡すと、夫は「これから出勤します」と母に言って実家を後にしました。
箱の中身は誕生日プレゼントとして用意した秋田県横手市にある酒造会社の日本酒(一升瓶)でした。
この日のためにあらかじめ取り寄せていたといいます。

父は二度寝から目覚め、そのプレゼントを受け取るととても喜び、また恐縮したそうです。
めでたしめでたし。

と、これは私の夫の義父孝行のお話。
そう、父は秋田県出身なので、夫は秋田県の酒にこだわりセレクトしたそう。
秋田県を立たせたということで、秋田県立義父孝行。

その時、妻は何をしていたかって?
自宅にいて、二度寝はしていなかったことだけは断っておこう。