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25分の7~『ラ・マンチャの男』公演中止に思うこと

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

25分の7、これはミュージカル『ラ・マンチャの男』の今回の上演回数。
25公演の予定が、幕があがったのは、7公演だったということだ。
今日、千穐楽までの中止が決定した。実は、まだレビューは書けていないのだが、明けて2日目に日生劇場でこの作品を観ることができた。
今回は松本白鷗さんファイナル公演と銘打たれていたこともあり、まさに一世一代。
1969の初演以来、単独で主演をはってきた白鷗さんは、この作品で数々の歴史を塗り替えてきた。
「コロナがなければ」もう何回エンタメ関連でこの言葉をつぶやいてきたことだろう。
でも、今回もまた言わずにはいられない。
白鷗さん御年79歳。
日生劇場に作られた『ラ・マンチャの男』の舞台はかなりの傾斜で立っているだけでも体に負担がかかるはずだ。
近年は自ら演出を手がけ、乱闘場面では歌舞伎の立ち回りを思わせる動きもあったりして、
とにかく今、白鷗さんが演じるラ・マンチャの男、セルバンテス/ドン・キホーテがそこにいた。
アルドンザ役は、2012年以来、10年ぶりとなる松たか子さん。

そのほかにも、長年この作品に出演し続けているキャストがたくさんいる。

開演前、劇場の方がプラカードを掲げながら
「どうぞ作品が最後まで安全に上演できるようご協力をお願いします。客席内での会話はお控えください。」
と何度も何度も言いながら席間をまわっていた。

そうだよ、そうだよね……と思いながら、私たちは25分の7のうちの1公演を観た。
記念に購入したパンフレットを今夜はしっかり読み込もう。

そして明日も明後日も、劇場の扉が空き、無事に幕が上がることを祈って、
舞台にたくさんたくさん期待しようと思う。