三階席から歌舞伎・愛 PR

七月大歌舞伎_強靭な肉体が生み出す毛ぶりの素晴らしさ

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歌舞伎をほぼ毎月楽しんでいる60代男性。毎月観るために、座席はいつも三階席。
印象に残った場面や役者さんについて書いています。

今月は、夜の部の鑑賞となりました。
一番の楽しみは、最後の演目「三、春興鏡獅子」です。新歌舞伎十八番の内、とあるように九世團十郎の創作した舞踊です。
見どころは、前半では、團十郎さんが珍しく演じる女形と、中盤でのぼたん、新之助との共演、後半での獅子の精を荒々しく演じる姿です。
それに加えて、田中傳左衛門さんの小鼓の素晴らしい音色と、渋く野太い掛け声もポイントです。

将軍の前でお茶の間詰めの小姓 弥生が踊りを披露することになりますが、恥ずかしいのか引っ込んでしまい、局たちに奥から引っ張り出され恥ずかしそうにする様子が、まず珍しい。荒々しい豪傑を演じることが多い團十郎さんが、女形で、恥ずかしそうに顔を下に向けるなどめったにない状況で思わず笑ってしまいます。
覚悟を決めて舞いを始めますが、手踊り、塗扇、二枚扇等、小道具を用いて様々な舞いを披露します。

最後に、獅子頭を手にすると、獅子頭に魂が宿り、弥生の意思とは別に獅子頭単独で動き出します。獅子頭が、蝶を追いかけると、弥生は反対のほうへ動き出そうとしますが、獅子頭は弥生の意思通りに動きません。一人の役者が、獅子頭と弥生と二つの動きを一つの体で表現しています。
團十郎さんの演技に感心しきり。その後、弥生は獅子頭に引っ張られるように花道から退場していきます。

しばらくの間があって、今度は胡蝶の精による踊り。
市川ぼたんさん、市川新之助さん姉弟の登場です。
まず、お二人のビジュアルの良さで、もう会場全体が温かく見守る雰囲気になってしまいました。オペラグラスで拡大しても可愛いことこの上ないです。
踊りの熟練度はもう少しあったらなぁと感じたのは、少し厳しいでしょうか。でも再度上演されることがあるなら、どのように上達されるのか楽しみにしたいと思います。

最後に獅子の精が登場します。獅子の精を演じる役者さんはたくさんいますが、やはり團十郎さんは、抜群にかっこいいです。胡蝶の精と戯れた後、有名な荒々しい毛ぶりを見せます。
歌舞伎役者の中でも強靭な肉体を持つ團十郎さん、体全体を使った毛ぶりが、きれいできれいで素晴らしいのひとことです。
毛ぶりの部分だけを見るだけでも、「得した」と思える素晴らしい舞台でした。

CHECK!

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歌舞伎座「七月大歌舞伎」が開幕をご覧ください。

文・片岡巳左衛門
47歳ではじめて歌舞伎を観て、役者の生の声と華やかな衣装、舞踊の足拍子の音に魅せられる。以来、たくさんの演目に触れたいとほぼ毎月、三階席からの歌舞伎鑑賞を続けている。特に心躍るのは、仁左衛門丈の悪役と田中傳左衛門さんの鼓の音色。