ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからはそのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
今回取り上げたドラマは奥平大兼さん主演の夜ドラ「税金で買った本」 です。
石平紀一(奥平大兼)はケンカの強いヤンキー高校生。一見、強面だが、根は素直でわからないことを放っておけない性格だ。そんなある日、とある本との出会いから図書館でアルバイトをすることになった石平。そこには日々本を整えたり、訪れる人が知りたいことに出会えるため、様々なサポートをする人々が働いていた。
石平は、早瀬丸(西野七瀬)や白井(青木マッチョ)など個性的なスタッフと出会い、少しずつ分からないことを知っていく喜びを得てゆく。
すべての本に住所がある
このドラマを観て改めて思ったのは「図書館って本当によく整理収納(整頓)されている」ということです。
多くの図書館では「日本十進分類法」で本の内容を0~9の大きな分類で分け、そこからさらに細分化して分類し、1冊の本にたどり着けるように管理されています。
例えば鳥のことを調べたいとすると、4の自然科学→動物学→鳥類といった具合にたどってゆくのです。つまり何千、何万冊という本には1冊ずつ住所があり、知りたいことへ導いてくれる仕組みがあるのです。
これはまさしく整理収納の完成形です。家庭にあるモノも同じように、洋服はクローゼット→下着はクローゼットの中の引き出し→靴下は引き出しの一番上、という分類があればモノが迷子になることもなく、必要な時にすぐに手に取ることが出来ます。
キレイに見た目を整えることも大切ですが、まずは「必要なモノにたどり着ける仕組みをつくる」ことがモノの管理には大切なことです。
「モテたい!」から始まって
第6話で、主人公の友人が図書館にやってきて言います。
「どうしたらモテるのか知りたい!」
レファレンス担当の早瀬丸は早速ぴったりの本を一緒に探し始めます。
心理学・哲学の棚を見てみたり、人生訓・身の上相談の棚を探したりしながら、少しずつ手がかりを広げていきます。そしてその友人は偶然見つけたカバーデザインが格好いい「ハードコア人生相談」という1冊を見つけて満足して帰っていきます。「どうしたらモテるのか」からは少し離れた本のようですが、友人には見た目も含め、明瞭・簡潔な内容がしっくりきたようです。
漂ってたどり着く
この友人のようにあちこちの棚を見て歩くのも図書館の醍醐味と言えます。
というのも、私は図書館には不思議な「浮遊感」があると思うのです。
目的の本にまっすぐ向かう時もあれば、この棚も気になる、隣の棚も面白そう、こんな分野もあるんだな、など棚から棚へ漂っているうちに想像もしなかった場所へたどり着くこともあります。そんな楽しい知識の探検は新しいワクワクを私にもたらしてくれます。
ですが、それも根底にしっかりと分類されたルールがあるから気持ちよく浮遊できるのです。
すべての本が野放図に置かれていたら、そうはいかないでしょう。
図書館は本を知っている人だけの場所ではなく、「なんとなく知りたいことがある人」にもちゃんと1冊の本に出会えるように開かれた場所なのです。
そう考えると、家の収納もすべてを細かく決めすぎる必要はないのかもしれません。
「文房具」「薬」「食品」と大きな住所だけが決まっていれば、その中には少しくらい余白があってもいい。きっちり分類することと、自由であることは反対ではないと思うのです。むしろ戻る場所が決まっているからこそ、安心してモノを使い、選び直すことができるのです。
子供が小さい頃は頻繁に図書館へ通っていました。
ドラマを観ていて、久しぶりに図書館に浮遊しに行きたくなりました。よし、行こう。
せっかく「税金で買った本」なのですから。
文・みのわ香波

