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雨が育てるもの

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自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。

梅雨に入ると、庭の景色がまた大きく変わります。
春の花々が主役だった頃とは違い、今度は草木そのものの勢いが一気に増してくる季節です。
特に落葉樹の成長には驚かされます。
春先にはまだ枝の姿がよく見えていた木々も、今では葉を大きく広げ、庭に心地よい木陰をつくってくれています。植物たちは梅雨を待っていたかのように、雨とともに一斉に動き始めるのです。足元ではタイムの花も満開です。

そんな中、初夏の花も色づき始め、蜜を求めて蜂も活発になります。
最初はミツバチも怖かったのですが、花の手入れで横にいるぐらいでは全く襲ってきません。ベルガモットやラベンダーの花に群がる蜂たちも彼らの仕事に一生懸命です。

初夏から咲く花で、毎年楽しみにしている花のひとつがエキナセアです。
丈夫で育てやすく、暑さにも強い。それでいて花姿はとても美しく、長い期間咲き続けてくれます。庭に植えてから何年も経ちますが、毎年安定して咲いてくれるので、庭の至るところを彩るすっかり頼もしい存在になりました。花の付き方や花姿も異なる新しい品種を集めるのも楽しみです。

 一方で、この時期は植物が元気になる分、庭仕事も忙しくなります。
枝葉が茂りすぎると風通しが悪くなり、病気や虫が発生しやすくなります。長雨が続けばなおさらです。薬を散布したり、込み合った枝、病気の葉を切ったり、植物の様子を見ながら手を入れていかなければなりません。
春の庭は花を眺めて楽しむ時間が多かったのですが、梅雨の庭は「育てるための仕事」が増える季節なのだと毎年感じます。

それでも、その手間をかけた分だけ植物たちは応えてくれます。
風通しを良くした場所では葉が生き生きとし、虫の被害が減った植物はまた元気を取り戻していく。その変化を見るのも、庭づくりの楽しさのひとつです。今年はヤマアジサイも大きくなってきましたが、混みあってきたので、様子を見ながら間引き始めています。

そんな様子を見ていると、整理収納にも似たところがあるなと思います。
例えば本棚です。
好きな本を買い続けていると、気づけば棚はいっぱいになります。けれど、ただ増やすだけでは、どこに何があるのか分からなくなってしまう。時々本を並べ替えたり、ジャンルごとにまとめたり、よく読む本を取り出しやすい場所に移したりすることで、また使いやすい棚に戻ります。
モノも植物も、元気に育っているからこそ手入れが必要。
放っておけば良いわけではなく、その時々で少し整えてあげることで、本来の魅力を発揮してくれます。

梅雨の庭は忙しい季節ですが、植物たちの勢いに負けないように手をかけながら、今年も初夏の景色を楽しんでいきたいと思います。

文・写真 柳澤とも子株式会社 くらしく代表取締役

整理収納アドバイザー2級認定講師兼インテリアコーディネーター
モノは捨てずに活かすをモットーに政治家や芸能人のご自宅の片づけをサポート。
一度見かけた収納用品は絶対に忘れないのが得意技。
著書の『SA!KO 新おかたづけメソッド : 「整理・収納」の常識を覆す』は、Amazon 住宅建築・家づくり部門で1位を獲得。
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